ファショコン通信公式ブログ

ファッションブランドにおける「定番」の使い方について雑感(4)


一体いつまで続くのでしょうか。
前だけを向いて筆を進めます。

Aさんでいうところのリスクヘッジのお話でしたね。

まず、某Kさんの場合は定番のカットソーでした。
ただ、これはファクトリー兼デザイナーズというKさんならではのクオリティのアイテムなので、
同じことをAさんがやろうとしてもコスト的に難しいかもしれません。

しかし、AさんにはKさんが持っていない強みがあります。
(2)で先述した超カッコいいオリジナルのプリント柄です。
もちろんKさんにもプリント柄のアイテムはありますが、
デザイン面での洗練性・衝撃度を単純比較すると、Aさんに軍配が上がるというのが個人的な印象です。

そして、これまた(2)で先述した通り、
このプリント柄をフルパワーでプリントした美しいシルエットのアイテムを、
スタイル抜群で美形のモデルさん達に華麗にスタイリングして
Aさんはコレクション発表をされているわけです。
もちろん、個々のものは素晴らしいアイテムばかりです。
これを上手に着こなせるなら購入したい、と思う人もいるでしょう。
外国人ならば上手に着こなせる可能性も高いかもしれません。

でも、私を含めた消費者の多くは、残念ながらモデルのようなスタイルの良さをもたない純日本人です。
ショーピースはちょっと使いこなせそうにありません
そんな時、全く同じ柄前身頃に長方形にプリントされたTシャツが目に入ったらどうでしょう。
これなら自分にも着られそうだ、となりそうです。
現に、その手のプリントTシャツそれなりのお値段毎シーズンのように発表されているビッグメゾンもいらっしゃいます。
Tシャツであれば、ある程度の着心地さえ確保しておけば、
あとはプリント柄の良さで充分にアイテムとしての品格を保てるので、お値段的にも抑えやすそうです
そういった意味でも売りやすいといえます。

さて、ここで重要なのはプリント柄のです。
プリント柄の内容、と言い換えても良いかもしれません。

デザイナーズブランドの商品を購入する消費者の立場から言わせていただきますと、
私たち消費者は、そのシーズンの象徴的なアイテムを購入することで、
デザイナーさんとそのシーズンのイメージを共有したいと感じているものなのです。
ですから、実際にショーで発表されたものと全く同じ柄がプリントされた某かのアイテムが欲しい、と思いがちなわけです。
そういった消費者心理を上手に突いてあげるわけですね。
この場合、売るためのアイテムの象徴的な役割を果たすのがショーピースになるわけです。
ショーピースといえば、Aさんはジャカード織の幾何学模様のアイテムも発表されたりしているので、
これと同じデザインのプリント柄を作ってみても面白いかもしれませんね。
そういったものまで欲しいと思うのが消費者心理というものではないでしょうか。

そして、コスト面について考えますと、
プリントにせよジャカード織にせよ、柄のデザイン自体は既にあるわけですから、
これをTシャツにプリントして商品化する場合、デザインという行為自体は時間的・精神的に軽減できそうです。
また、プリントTシャツを定番化する場合、
基本的には、毎シーズン新しいプリント柄を施すだけになるわけですから、
元となるアイテムのパターンや素材は全く同一でも良く、経済的なコストも抑えやすそうです。

さらに、ニーズに応じて同様の手法Tシャツ以外のアイテムも展開しやすそうです。
例えば、Tシャツの袖を伸ばしたバージョンのロンTにしてみるのも良いかもしれません。
そういえば、七分袖、というのもありましたね。
あるいは、袖無しのタンクトップにするのはどうでしょう。
さらに、丈を伸ばしてタンクワンピにしてもいいかもしれない。
もっと涼しげなキャミソールがあってもいいですね。
どうせならキャミソールワンピも作ってみましょうか。
梅春向けにスウェットとかも欲しいかもしれない。
ざっと思い付くだけでも、Tシャツを含めて8つばかりのバリエーションが考えられます。

どれを作ってどれを作らないのか、
あるいは季節ごとにローテーションで定番化するのか、
それとも、以上とは全く別のアイテムにするのか、といったところは、
ニーズとコストとブランドイメージを考えて決めれば良いのではないでしょうか。
実際に作ってみれば、何がリスクヘッジとしてベストなのかというのが明らかになってくると思います。
もしかしたら、予想だにしなかった面白い結果が出ることになるかもしれませんし。

と、以上はあくまでも素人考えですから、これが答えだというものではありませんし、
実際に作ってしまってビックリするくらい大コケしたとしても全く責任は持てないわけですが、
とりあえず1ついえそうなことは、
Aさん超かっこいいプリントがシンプルに施された定番Tシャツでもあった日には
毎シーズンでも購入したいくらいだ、ということですね。
春夏だったら3デザイン分くらい買ってしまうかもしれません。
いや、3デザイン分以上も展開されるのかどうかわかりませんが。

というわけで、単純なことを言うのに随分と長くなってしまいましたが、
AさんとKさんとをBusiness的な観点から4つの利点と8つの提案を挙げながら比較しつつ、
ファッションブランドにおける「定番」の使い方について雑感を記す、という、
ここ数年の売れ筋に大胆に便乗して久々に書いてみたブログ記事でした。
フライングゲット。

ファッションブランドにおける「定番」の使い方について雑感(1)
ファッションブランドにおける「定番」の使い方について雑感(2)
ファッションブランドにおける「定番」の使い方について雑感(3)
ファッションブランドにおける「定番」の使い方について雑感(4)

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