ファショコン通信公式ブログ

ファッションブランドにおける「定番」の使い方について雑感(1)


2014-2015 A/W の東京コレクションが終わり、何人かのデザイナーさん達とお話をしていく中で、
ふと考えることがあったので、かなり久々ですが、ブログ記事を書いてみます。

さて、私が最近、個人的に気にかけているブランドに某Aさんというブランドがあります。
このブランドは、極めて高いレベルでのクリエイションを展開していて、
ドメスティックブランドの中ではトップレベルのものだと、個人的には思っています。
純粋にクリエイション面だけで評価するならば、「レベル」を取ってもいいくらいです。

そうすると、必然的に、ショーピースだけでなく
そのブランドが商品展開するアイテムもまた、
クリエイティビティの高いものが多く並ぶことになります。
ここまでであれば、特に問題はないのですね。

問題はここからです。

そのブランドがワンシーズンで扱う商品を展示会でズラッと眺めてみますと、
何と、ほぼ全ての商品が、全力投球のアイテムであるわけです。
経費削減のため、商品展開する予定のものについてあまりサンプルを作っていないそうですが、
そうだとしたら、どうしてこの商品のサンプルをわざわざ作ってしまったのだろう、と思うわけです。
全力投球の売れないアイテムばかりサンプルを作ってしまうのは、
ビジネス面から考えると却って逆効果になってしまいます。
売れない商品のサンプルを作ってお金が無くなるくらいなら、
売れる商品のサンプルだけを作るべきなのです。
経費を削減する必要があるのなら、売れない商品のサンプルとして、
ショーピースだけトルソーにでも着せておけば良いくらいですね。
運よくショーピースに注文が入ったら、それこそ儲けものです。

そして、このブランドがなぜ売れない商品のサンプルを作ってしまうのかというと、
理由は意外と単純で、
売れる商品がないということに尽きるわけです。
売るための商品がないと言い換えても良いかもしれません。

これに対して、ビジネス的に上手なブランドの展示会というのは、
商品納期毎や種類毎にラックが幾つかありまして、
見る人が見れば、
この辺がデザイナーが表現したかったものこの辺が売るためのものですね、
というのが一見してすぐにわかるものなのです。
こういうブランドがサンプルを削るとしたら、当然のことながら、
後者でなく前者になるわけですね。

ところが、某Aさんの場合は、
展開予定の商品のほぼ全部がやりたいことになってしまっているわけです。
一生涯小さいブランドで落ち着くつもりならそのままでいても良いのかもしれませんが、
そうしておくのにはあまりにも勿体ない才能だと私は思います。

と、ここまで書いたところで、長くなってしまったので、
続きは次回へ

ファッションブランドにおける「定番」の使い方について雑感(1)
ファッションブランドにおける「定番」の使い方について雑感(2)
ファッションブランドにおける「定番」の使い方について雑感(3)
ファッションブランドにおける「定番」の使い方について雑感(4)

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