マニアの矜持

こういうブログを書いていると、さぞかしオシャレな人だろうと思われるし、オシャレだと思い込んでしまっている人もいる。
しかし何度か書いているように、私はオシャレではない。

先日会った、大学時代の友人は気持ちよくそのことを指摘してくれた。
「お前はよぉ、何か垢抜けないんだよなぁ」それは通常落ち込むべきセリフでありながら、私にはとても嬉しい指摘だった。

「やっぱお前はわかってたよな。そうなんだよ。自覚してんのよ。でも、詳しいからって勘違いしてしまう人も多いんだよ」
と、破顔しながら彼に答えた。

元々にセンスが欠けている私は、知識をもってそれを補った。
きっちり詰めようと思えばできるのだが、それを億劫と思うため、普段は適当に服を着て、その結果『何か垢抜けない』状態になってしまうのだ。
(そしてその適当さ加減は、最近さらに悪化している…)


仕事のときは2プライスのスーツでもいいし、もっとショボイスーツだって持っている。
(でも品質の悪いアイテムはやっぱりダメだね。形態安定のポリ混シャツとか着ていてイヤだもの)
しかしそれでも構わないと思っている。

要は「やろうと思えばできる」

その意識が大切だと思っているからだ。

そして、その意識は自分で納得いくだけ勉強したという自負と、それで結果を出したという矜持が支えている。
(参考・ファッションマニアへの経緯1234)

自然体なオシャレは見てわかるし、オシャレに興味を持って頑張ってもいる人もわかる。
そういう人にはそういう風に接するだけの余裕がこちらにある。
これ見よがしに生半なオシャレを振りかざしている人には、たまに寸鉄を打ち込みたくなるが。

うちの母親はかつて着道楽をした人間である。
洋服に加え、和服にも相当のお金を使い、和服の仕立てにまでこだわったという。
それでいながら普段はボロを着ている。
「みんなね、私が適当な格好しているから、そういう人間だとは全く思っていないのね。でもたまにパーティがあると、私はきっちりこだわって仕立てたドレスで決めていくの。するとみんながびっくりするの。それが可笑しくてね(笑)」
これを私はとてもイキだと思う。
そして、こういう人が怖い。

私の方向は母親ともまた少し違うが、「やろうと思えばできる」という意識と、たまにはそれを実践することで、私は矜持を持ち続けていきたいと思っている。

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Comments

“マニアの矜持” への12件のフィードバック

  1. はじめまして。いつも楽しく読ませていただいてます。それと同時に勉強させていただいております。
    自分はまだ学生で普段は自然体なオシャレを目指しています。自分もUGさんみたいにある程度自信をもてるようになりたいものです。

  2. エストリックというブログから来ました。矜持も大事なんですね。
    この手のことに初めて考えました。

    適当というのは思わぬコーディネートが出来るという意味では素晴らしいと思います。

  3. >042
    コメントありがとうございます。
    ふと、私みたいに踏み外さないようにオシャレしていくより、一旦極端なファッションに振れてしまって、普通方面に戻った方がオシャレになれるように思いました。

  4. >モードの終焉
    Elastic(エラスティック)さんですね。
    「適当」とはいうものの、きっとその適当は、皆さん誰もがトライされることですから、そうわざわざ褒めることでもないと思いますよ。

    モードの終焉さんのブログも拝読しましたが、きっとここにはあなたの興味を引きそうな記事があると思うので、ぜひ過去ログも読んでみてください。

  5. 努力して知識で出来上がったファッションというのに興味津々です。して、その結果とは?

    というのは、私はファッションはある種の感覚だと思っているからです。先人のハイセンスな試みが言葉で説明されて知識となっていると思うのですが、そうすると、一所懸命努力すればこの手の教育がされない日本人でも西欧の人と、もしかしたら同じレベルに到達するのかもしれませんが、それでは、あちらに行くと”普通の人”になってしまいませんか?

    普通ではお洒落とはみなされないはず。なにか差をつけないと。そこにセンスを磨く必要性があると思うのです。なので、沢山知識を吸収することに時間を費やした人が出せる結果に興味があるのです。

    どんな結果が出ましたか?

  6. >masato
    Elasticでもコメントされてましたね。こちらにもコメントありがとうございます。

    オシャレの数値化はちょっと難しいのですが「その格好いいね」と言ってくれる人がいるくらいですかね。

    ファッションは確かに感覚のものですけれど、審美眼を鍛えてゆけば技術でそこに近づいてゆくことが可能だと思っています。
    ただ、見る能力が先走っている以上、表現がそこを飛び越えることは無理なんじゃないかなと思います。

  7. 人は滅多に他人の格好を褒めないから「その格好いいね」と言ってくれるなら上手くいっているほうですね。努力してきた成果ですね。

    私も知識を獲得することに異議は無いのです。だって今、伝えられている知識は先人の良い知恵ですからね。これを学ばずして、お洒落にはなれないと思います。
    しかし、例えば数学の問題を解くときにエレガントな解答をする人がいますよね。あれって知識だけじゃ出来ないことだと思うのです。その道の、センスの良い思いつき。ファッションにもこれに通じることがあるように思えます。だから、テクニックだけでは超えられない一線があると思うのです。問題はどうしたら、自分にもそういう良い思いつきがひらめく様になるかでしょうかね。でも、センスも多くは後天的なものらしいですから、なんとかならないものでもないはず。

    と言いつつも、普段は、その日の気分でパッと服を取って着ているんですが。やはり普段の心がけが問題なのでしょうかね。

    しかし、最近笑っちゃうことが多くて。相変わらず色々なブランドのショップに行くのですが、「この服は今日着ているパンツに合いますよ」と言われるんですが、そのパンツは実はユニクロなんです。「へぇー、ユニクロと合うんだ」なんて思って内心、笑っています。販売員なんだから服は見慣れているはずなのに、こんなものなのかと思ったりしています。普通の人の目をごまかすのは簡単なんですね。

  8. yamamotoのアバター
    yamamoto

    初めてコメントします。この記事とまったく関係の無い話なんですが、これが一番新しいので…ファショコン通信やこのサイトを見ていて前々から思っていたんですけど、UGさんって文章お上手ですよね? だから?と言われたらそれまでなのですが、ふと思ったもので

  9. >yamamoto
    コメントありがとうございます。
    たまに言われますけど、そうなんですかね?
    ある程度文字表記とテニヲハを意識しているくらいですが、構成にも気を使っていませんし、別段うまいわけではないと思っているんですが。

  10. yamamotoのアバター
    yamamoto

    そうなんですか…う~ん羨ましいですね。文章もうまいんですが書く対象を捉えるのもうまいと感じます。お世辞みたいになってしまいましたね

  11. はじめまして、いつも楽しく拝見させて頂いてます。

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    突然のコメントにて、大変失礼いたしました。
    今後とも LEGGENDA をよろしくお願いいたします。

  12. はじめまして。
    いつも興味深く読ませていただいております。
    私自身はUGさんのように
    服飾全般に詳しいわけでは全くないのですが、
    マルタンマルジェラに関しては
    ずっと好きで追いかけてきた経緯もあり
    少しばかり知識があると思っております。
    最近、マルジェラに加え
    マルニ、ミハラヤスヒロ等に関する情報を掲載した
    blogを立ち上げましたので
    ご多用のこととは存じますが
    お時間のある際にでも
    ご覧いただければ幸甚に存じます。
    突然のお願いで恐縮ですが
    宜しくお願い申し上げます。

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