GIANT KILLING~番狂わせ~


GIANT KILLING 1 (1)

今年の初めからモーニング誌で始まったサッカーマンガ。1巻が出たばかり。
GIANT KILLINGとは弱者が強者を倒すこと。「番狂わせ」という意味。

作品の売り文句は「本当にいい監督はゲームを面白くしてくれる」

かつてプロサッカーリーグで伝説的なゲームメイクをしたプレイヤー・達海(変わり者)が「GIANT KILLINGこそゲームの醍醐味」と、そのチームを突如捨てイングランドローカルクラブチームの監督に就任。
そのローカルチームを大躍進させ街を熱狂させる。
一方、古巣の日本クラブチーム・ETUは、彼が抜けて低迷し、万年リーグ落ち争いをするようになる。
そこでETUは低迷脱出の最終策とし、彼をすがって、スカウトしにイングランドへ向かう。
日本に帰ってきた監督・達海は、その独特の天然キャラと独創的な采配でチームを蘇らせていく。



「よし!今日も勝っちゃうか フットボールバカども」たった2ページ目の、あっけらかんとしたこのセリフとそれに熱狂して応えるチーム。そして引いた構図。
これだけでこのマンガに引き込まれた。

達海が居ない間、チームをまとめ、必死で堅持してきたキャプテン・村越が、いきなりの達海のキャプテン解任指示にキレる。
「あんたが(抜けて)潰しかけたチームを…… 必死になって立て直してきたんだ!! チームの戦力……バランスを考え 勝てる術を探した……
チームを第一に……そのために自らだって犠牲にしてきた
自分のことしか考えなかったあんたに……俺の気持ちがわかるか……?
キャプテンとして!やるべきことはやってきた!この10年……俺は……自分のすべてをETUに懸けてきたんだ!!」

「…


だからキャプテン外すんだよ


チーム事情……
チームのバランス……戦術
そんなもんまでお前が背負い込む必要はねえ
俺に言わせりゃ、お前はただ……
いい監督に恵まれなかっただけだ
お前は紅白戦で負けた。若手に比べりゃまるで走れねぇ
それでも勝てる自分の武器を、これからお前は死ぬ気で探せ

その代わり……

お前が背負ってきたもんの半分は
これから俺が命懸けて背負ってやるよ」

アツイセリフがこもってる。
華麗なる采配にトキメく。
彼の指示に最初は反発しながらも、いつの間にか魔法にかけられていく周囲の人間。
そしてなによりこのマンガのオリジナリティは、サポーターをとても上手に絡めていること。
ホームチームの挙動に一喜一憂するサポーターが、なんて愛らしいことだろう。

私は毎月大量のマンガを読んでいて面白いマンガは沢山あるけれども、買いたいと思うほどのマンガは本当に少ない。
(マンガは場所をとるので、安易に買っていたら置き場所が無くなるから)
そんな中で購入リストに入った最高に面白いマンガだ。
ちなみに購入する基準は、連載が始まったばかりで、みんなに知られておらず、友達に読ませたい作品。
友達が持っていたらそこで読めるからさ。


Comments

“GIANT KILLING~番狂わせ~” への8件のフィードバック

  1. こんにちは。いつも楽しく読ませてもらっています。(携帯から無理矢理)
    このブログはたまたま見つけたのですが。文体にここまで書き手の個性がにじみ出ているブログは初めて読みました。全記事一気に読んでしまいました。
    特にファッションに関しては問題、明確な答えが冴えた文体で語られていて、知識本の様に何度も読み返してしまいます。
    突然ですがどーしても疑問に思うことがあり、質問させてください。
    全くの個人事ですが、素人目に「服の生地の善し悪し」ってのは見分ける事ができるのでしょうか?できるならポイントは?
    特に高級ジーンズ。デニム生地の違いについて、善し悪しなんてあるのでしょうか?
    販売員に聞いても、大体「織機が古いからあまり製造できない。だから稀少」程度です。
    それだけであんな値段が違うのか?糸自体はかわらないのか?
    もしお暇ができて、この質問に興味がありましたら。解答おねがいします。

    どこに書いたら良いか分からずレスに掲載してすみません

  2. >たま
    コメント嬉しいですね。
    業界の外からなので、言いたい放題言わせて貰おうと思って、思い込みも含め書いてます。
    不思議と炎上しないので、書き続けています(笑)
    さて「生地の良し悪し」についてですが、いわゆる「整の美」に当たる上品さというポイントでならば、素人でも少しの訓練で見分けがつきます。
    見極めは表面のツヤと毛羽と、生地のハリです。
    ただし、シルケット加工といった、コットンの表面をシルクのように見せる加工があって、そういうもので素人にはわからなくなることもあります。
    仰るようなデニム生地の良し悪しですが、今、デニム生地に求められているのは、おそらく味わいです。
    最新の織機だと均質になりますが、古織機では生地に適度なムラが生まれ表情が豊かになりますし、尚且つ丈夫さも保てるということではないでしょうか。(そこまでシミュレートしようとする織機も出てきていると思いますが)
    そうすると生産性は悪化し、当然価格は上がります。
    ちなみに一般に上代の10%前後が素材代だと言われています。
    また糸に関しては、高級希少糸ではないですので、糸の良し悪し差は少ないと思います。
    つまり生産性による希少性と、ダメージなどの加工賃が、あの価格差になっていると思っています。

  3. はやいコメントありがとうございます。
    た、確かにここまで強い意見だと炎上しそうですね、、。
    ツヤ、毛羽、はり、ですか。そのポイントに重点を置いて見分けつくように研究してみます。

    デニム生地については「粗の美」とでも言うのですか。織りの不均一さが、味につながり。そのために古織機を使い、生産性の低さなどによって価格が上がると。よく考えれば生地に凹凸があるほど色落ちの表情も豊かな気がしますね。実際に一本購入して試してみます。

    最後に生地の見分け方に関する、お勧めの本などご存じでしたら教えていただけたらうれしいです。
    丁寧な回答ありがとうございました。
    色々と忙しいでしょうが、冴えたブログ頑張ってください

  4. >たま
    生地の見分けに関する本というのは見かけたことがありません。
    そういうサイトを探したほうがいいと思います。
    あとは明確に良いと評価されている生地と、粗悪な生地(格安洋品店のものなど)を比べることです。
    そうすると差が見えますよ。

  5. ありがとうございます。
    参考にさせてもらいます。

  6. 初めまして。服についてネットで調べていたところ、ここにたどり着きました。
    生地について書かれてたのでコメントさせていただきます(横槍で申し訳ないです^^;)

    生地の良し悪しの見極められるようになる為には、ブランドの有名、無名、値段の安い高いに関わらず、色々な服の生地を実際に見る、触るを繰り返していく内に身につくと思います。
    で、もしたまさんが女性の方なら、男性物にも目を通す事をお勧めします。

    それと一つ気になったのが、たまさんが仰っている高級ジーンズとはレプリカジーンズの事なのでしょうか?
    織機がどうこう言われているのでレプリカジーンズだと思うのですが、接客を受けた店員さんの知識があまりにも乏しくて・・・(個人的な意見ですがレプリカジーンズ扱っているお店の店員さんならばジーンズに関しては、最低限各ブランドの生地と染色の違いについては説明できると思っていますので)

    なんの脈絡もない突然の書き込みで失礼しました。

  7. こんにちは。
    コメント頂きましてありがとうございます。
    この漫画、常連のお客さんに奨められて読んでみましたが、本当に面白いですね。

    まだ1巻しか読んでませんが続きが気になります。

  8. >1ststep
    お返事ありがとうございます。
    4巻あたりですこしダレますが、連載は今また面白くなってきてますよ。

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