モデル選びのことをキャスティングと言う。今日はその日。アトリエには10時からびっしりとモデルたちが並んでる、そして次々やってくる。予め、モデル事務所に募集の声をかけておくと、こうやって続々とモデル達が来るのだ。今回の募集は15人。来たモデルはその3倍くらい?
モデル達は自分のブックを差し出す。ブックとは自分の作品、今まで掲載された雑誌やコレクションのイメージをまとめたファイルのこと。そして、アトリエの3~5メートルくらいを歩いてと言われる。そして傍らでブックを見ながら、傍らそのウォーキングをチェックされる。
このたった数分でモデルの採用不採用が決まる。イメージに合わない、上手く歩けないなどあればその場で『Merci, Au voir(ありがとう、さよなら)』となる。
イメージが合いそうだなと思ったら、そのモデルに合いそうな洋服を着せて、デジカメで撮影。あとで参考にする。この時モデルは自分の写真とサイズの書いたカード(A5くらい)を置いて行く(これをコンポジットと言っている)。これには身長、スリーサイズや靴のサイズが書かれているので、後のフィッテイングまで役に立つ。
大きなメゾン(ブランド)では、もっと違う方法(予め売れっ子モデルに声をかけたり?とか‥)があるかもしれないが、クリエータの場合は大体こんな感じ。モデル達は、事務所から聞いたキャスティングのスケジュールにあわせて、そのアトリエを訪問し、その場で採用不採用が決まる。モデルとは無縁だから良く分からないけど、何本パリコレに出たかって言うのはやっぱりその後の仕事を左右するだろう。だから、売れっ子モデルになるまでの道のりは本当に厳しいと思う。一回一回がチャンスではあるけれど。
で、決めたモデルのコンポジットが壁に張られる。モデルの子を一人を使って夕方、メイクの打ち合わせ。
今日の研修生の仕事は色々。モデルに服を着せるアビユーズ(英語はフィッター)もいたり。私は洋服全般の直しや昨日頼まれた洋服の仕上げ、合間を見て鞄つくりの手伝い(主に裁断とこれも仕上げ)。仕上げた洋服を最終デッサンする子、それをPCに取り込みブックを作成する子。これらはコレクション翌日から始まるサロン(展示会)に使う。多分、ブックが出来上がるコレクション直前、皆で生地見本貼りだろう‥。
とはいえ、週末の追い込みに向け、今日は早めの解散(8時半)。明日も頑張ろう!
お返事ありがとうございます、あの後何人か面接をしました。がしかし、上司は結局、留学していた人には書類で断っていました。自分には人事の権限は無いので何も言えませんでしたが、理由を訪ねると”よく考えろ。20代後半の新人なんかいらない、日本のこのサイクルを経験した事の無い人材はいらないんだ”と。多分日本は商業としてのファッションが強いし、ある意味日本で成功するのは本当に難しいと思います。さぼてんさんは日本に戻りたい?んでしたらこう言う人もいるのでチョット胸のすみに覚えておいて下さい。よく思うんです、せっかく海外で学んで来たんだったらその知識を母国で生かして欲しいと。今の日本はすばらしい技を持った工場や生地屋があるのに皆、単体なんです。その単体を動かせるのはデザイナーのクリエイションなのだと。海外から帰って来てすばらしい経験を積んでるんですから、日本でも頑張ってみてください!!コレクションも忙しいと思いますが体気をつけて下さい。またメールします!