Guild of Crafts~靴作りVol.4-2~

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続いて、ヒール仕上げ。
すなわち、ヒール周りをきれいに仕上げる作業である。


はじめに、ヒールの側面をガラスで削る。
既に金やすりを使って
あたかも1つの部品であるかのように思えるくらいまで削っているはずなのだが、
さらにガラスで削ったあと、
またさらに紙やすりで削って仕上げるのである。

まったく、何回削れば終わるんであろーか。

ヒールを削るためのガラスは以下の通り。


(画像をクリックすると拡大します。以下同様)

次に、ガラスで削ったヒールの側面を、
紙やすりで削って仕上げる。
仕上げに用いる紙やすりは以下の通り。

一番左がやすりの表面(削る面)、
真ん中が150番のやすりの裏面、
一番右が240番のやすりの裏面である。

全ての紙やすりの表面の色が同じなので、
裏面に数字が書いてないと、何番だかさっぱりわからない。

はじめに150番の紙やすりで削り、
その後、150番より目の細かい240番の紙やすりで削って、
最終的な仕上げとなる。
場合によっては、途中で180番などの紙やすりを
使ったりするらしい。

150番で削っている様子は以下の通り。

そして、240番で削って仕上げる。
完成した様子は以下の通り。

紙やすりで削るのは、ケガをすることもないし問題ないのだが、
とにかく革を少しずつ削るので、ゴミの量が半端じゃない。
服や手についた削りカスを気にしている場合でもないので、
あんまり気にしてなかったが、
家に帰ったら、鼻の中は真っ黒だし、髪の毛にゴミが
沢山付いているし、
とても成人女性とは思えない風貌であった。
職人、奥が深し、である。(もう意味わかんない)

次に、ズボラごてと呼ばれる、以下の写真のような器具を、
ヒールのアッパー寄りの部分に押し当てながら擦って、
さらにヒールをきれいにする。

ズボラごてを使用している様子は以下の通り。
スボラごてで擦った部分がきれいになっているのが
おわかりであろう。

このズボラごてが、ズボラな私には合ってないのか、
何度も手が滑ってしまって、ヒールに大きな横線を
つけてしまう羽目になってしまった。

そして、ズボラごてで届かない、ヒールの接地面寄りの部分は、
イチョウと呼ばれる器具を使ってきれいにする。

ズボラごてよりも、イチョウの方が使いやすく、
イチョウではきれいに仕上げることができた。

傍で見ていた講師には
こんなことなら、ズボラごてを使わずに、
はじめからイチョウで仕上げた方がよかったですね。」と、
言われてしまった。
いまごろ言われてもしょうがない」と、
言い返したいところであるが、
言い返してもしょうがないのでやめておいた。

次に、ヒール全体とウェルトの周りに、
アッパーと同じ色のインクを塗る。
私の靴は黒なので、以下のように黒いインクを塗ることになる。

手で持っているポンポンを使って、色付けする。
このとき、アッパーにインクが付いてしまったところ、
講師に、
「アッパーに付いたインクは二度と消えません」と、
なんとも悲しみ漂うコメントをいただく羽目になってしまった。
しかーし!幸い、黒のアッパーについたインクは目立たないので、
ほとんど目立たない。ラッキーである。
(茶のアッパーについたインクは結構目立っていた。圧勝である。)

次に、以下の写真にあるようなハケを使って、
ポンポンで塗りきれなかった部分と、出し縫いした糸に色付けをする。

出し縫いした糸への色付けは、好みによるそうだが、
講師に「塗った方がいいかなー」と言われたので、
色付けすることにした。
その辺は彼の方がプロですし。

以上でヒール全体とウェルトの周りへの色付けは終了。

次に、靴底をガラスで削っていくのだが、
記事が長くなりすぎたので、次回に続く・・・。

Guild of Crafts~靴作りVol.4-3~

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