パリ留学日記

やっと当日。朝１０時（いつも通り）にアトリエに集合。昨日決めた洋服をマヌカンごとに並べてある、それにカバーを掛けて搬出準備。コレクション開始時刻（会場入場時刻？）は１７時半。場所はHotel Intercontinental。

洋服のほかに、当日のトラブルに対応するための小物も準備。例えば、飾りボタンとか、糸各色‥針や小バサミなど基本的な裁縫道具にアイロンや台等。他に会場演出のために必要なもの色々‥。

そして、会場に向かう前に買出し、これはバックステージでスタッフ（メイクやモデルといった招待されている関係者）が摘むお菓子・パン・果物など‥。

昼過ぎトラックが来る。スタッフ・研修生で荷物の積み込み。パリの交通事情の関係で、トラックを長時間停止できないから、とにかく急いで積み込む。

スタッフがトラックに乗り込み会場に同行。乗り込めない研修生は、メトロで会場に向かう。

会場はほとんど工事現場。演出のための垂れ幕を吊ったり、舞台・客席の設置などが行われていく。招待客が会場に入る直前まで、工事は続くのだ。

一方、舞台裏（これはフランス語でもバックステージと言う）は、モデルのメイクが始まり、洋服がモデルごとに並べられていく。私の今日の仕事は、この洋服の管理。アイロンがけをするものがあればそれをし、先日のフィッテイングで直しのあった服を、メイクの終わったモデルを捕まえては着せて最終確認。小物（アクセサリーや靴）を割り振ったりして確認する。

そして、リハーサル直前まで訳あって決まらなかったドレスの配列をギャスパーと最終チェックし、モデルに割り振る。

今回のフィナルは、モデルが舞台（回転する）に立ちポーズをとるという設定。だから、モデルのポーズと衣装は、フィッテイング時に一応確認はしてあるが、それをリハして最終決定した。

アシスタントの人は、当日集合したアビユーズ（英語でフィッター）といわれる、モデルを着替えを手伝う人に説明。これは大体、服飾系の専門学生に声がかかるので、洋服には知識があるが、なんせ当日初めて服を見るので説明が要る。たとえば、トップスをズボンのウエストの中に入れるか入れないか‥とか細かいところまで指示する。

洋服を見回りながら、そういった人からの質問を受けたりして準備を進めていく。

会場に人が入りだし、落ち着き始めるまで２０分くらいかかる。その頃舞台裏ではモデルの最初の着替えが始まる。そして客が落ち着いた３０分から４０分ごろ、ショーがスタートする。

表は静かな会場だけど、裏ではとにかくそんなわけにいかない。そうそう、私は働いているから分からないけど、実はギャスパーに断って、ぷりまさんを招待した。バックステージと会場、好きなほうに居て良いですよと言ったら、彼はバックステージに居たので、その状況はぷりまさんの記事を見てもらったほうが分かると思う。

で、ショーが開始後もドタバタする。表で優雅に歩くモデルも、裏に入れば即、洋服を脱ぎだし自分のキャビンに戻り次の服を着始める。アビユーズは、ボタンを外したり付けたりを手伝い着替えをスムーズにし、アクセサリーや靴を確認してモデルを送り出す。わずか１分未満？の着替え。ストッキングの履き替えとか‥靴の脱ぎ履き。凄く恐ろしい。

ショー自体はあっという間に終わる。そして、拍手と共に終わって、一応裏にシャンパンが振舞われる。これは招待客で舞台裏に入ってこれるような関係者のためのもの。スタッフは大急ぎで洋服・小物を確認しながら回収。再び持ち帰るための準備をするのだ。

お客が居なくなった会場は、直ちに解体作業。次のショー（たいてい翌日）のためにまた１から作り直す（もちろん使い回すものもある）。ショーの会場は、各ショーによって形が違う。出入り口が一緒のもの、両端に出入り口があるもの‥客席の配列、照明全てが違うので大変だ。

さて、とにかく自分達のものを引き払い、アトリエに戻る‥。

帰ったら皆でようやくシャンパン！

この後の話と明日の話し。コレクション後のサロンの話としてまとめてしよう。とにかく疲れた。おやすみなさい。