奥田染工場~プリント教室~

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大変な思いをした靴作りから7年(もうそんなに経ったの・・)。
以前から興味はあったものの、なかなか行く機会がなかったプリント教室にパタンナーの友人を誘って行ってきました~。

今回参加した奥田染工場は、ミントデザインズmatohuなどのプリントを手がけている工場で、主にハンドシルクスクリーンプリントを中心に手がけています。

月に1回、有志主催の「奥田塾」にて実習(実際に捺染台を使った作品作り)を行っており、月によってプリントの種類が異なっています。

平成24年度 奥田塾カリキュラム
日程 実習内容
4月21日(土) 反応染料のプリント
5月26日(土) 反応染料の防染プリント
6月16日(土) 天然染料のプリント
7月21日(土) 顔料プリント・特殊バインダープリント
8月25日(土) 顔料抜染プリント
9月15日(土) 酸性染料のプリント
10月27日(土) 酸性染料の防染プリント
11月17日(土) 硫化染料のプリント
12月8日(土) 藍染のプリント
1月26日(土) 塩縮(立体加工)or 反応染料のプリント
2月16日(土) リップル(立体加工)or 顔料プリント
3月16日(土) 酸性染料のプリント・顔料プリント

都合のいい日を中心に選んだので、「酸性染料のプリント」がどんなものかも分からず、
そもそも「生地3m用意して」って言われてもどんな生地がいいかもさっぱり。
でも問い合わせたら直接奥田先生がいろいろ教えてくれました。いい人!!

「酸性染料」色素の分子中にスルホン酸基・カルボキシル基などの酸性の基をもつ水溶性染料。
羊毛・絹・ナイロンなどのたんぱく質系の繊維や皮革・紙・インク・食用色素などに広く使用されます。
「今回は、シルクがいいでしょう」と奥田先生。

準備段階として一緒に参加する友人に生地屋さんに行きました。
シルクって高いんですね。
シルクの服って高いね~とは思っていたものの、生地みると全然違っててビックリしました。
ちょっといい生地だな~と思ったら1m7000~10000円。3m買ったら2~3万円。
失敗する予感満々なので3万円は高い買い物です。
結局友人とお揃いでお手ごろ価格の生地(だって色が入りやすいか、とか分かんないんだもの)を選びました。

カメラ許可もいただき、エプロンと汚れていい服、メモを準備して「いよいよ明日だな~」と思ってベッドに入ったものの、
「そういえばどんなプリントするか考えとかないとダメかも?みんな経験者や業界関係者ばかりよね・・・?」と思ったら
目がさえてしまって、結局5時起床・・ね、ねむい、涙。
クローゼットの中を漁ったりいろんなブランドから頂いた冊子をチェックしながらイメージ。
なんとなく「これかな~」と思ったものをチェックしたらちょうどいい時間になっていました。

八王子からタクシーで10分少々で奥田染工場に到着。
昔ながらの職人工場って感じです。

お部屋にはすごい量の生地がごろごろしていました。「ここのブランドと取引あるんだ!」っていうブランドのダンボールも散見されます。
今日は常連のおばちゃん4名、アパレル関係者等、そして私とパタンナーの友人が参加者していました。
※綿のときはすごい大人数らしいんだけど、シルクは若い人には人気がないらしいです。

まず奥田先生が染料の使い分けや歴史、酸性染料が工場によってどのくらい違うかなどの説明をしてくださいました。
染料は秘伝のようなもので、工場にとっての宝。工場外へ門外不出だったんだそう。
いまでは結構手に入りにくい材料などもあるそうです。

そしていざ実践。
結構放置なので自分でいろいろ動く必要があります。
まずは工場へ。

工場の中には、顔料板場(熱板)、染料板場(熱板)、蒸箱、水洗機、手洗い水槽、ベーキングボックス、クラフト染色用台、熱転写台等があります。

持ってきた3mのシルク生地を染料板場に貼り付けるんですが、これをピッタリ貼るのが難しいんです。

というわけで、職人さんが貼ってくれました。さすが!

そうしている間に、染料作ってますよ~とお呼びがかかります。
すごい種類!

鍋に入れてお水を加えてグツグツ。

まーぜまぜ。

そして版選び。
私はカットソーとジレかストールを作ろうと思っていたので、2種類の版を選びました。(欲張り・・・)

版を洗って、

セット。版の位置あわせをしている職人さん。

染料ができあがってきました。
いろんな色を混ぜ合わせ、自分用の染料を作ります。

私は3種類。
黒、青、濃い緑を作成。

プリントする大きさを決めてテープで囲って

ハケでぬりぬり。

2色に分けてプリントするために、都度版を洗わないといけません。
これが結構大変で腰が痛いです、苦笑。

お隣では友人がぬりぬり。
角度や力加減が難しいです。

続いて私はもう片側(ストールorジレにする部分)を塗ります。
こちらは葉っぱの版を選択。
奥田先生にイメージを伝えたら、丸バケを持ってきてくれました。

一部を緑、一部を黒で塗ります。

乾くまでの間、他の人の作品をチェック。
色もプリントもかわいい~。カーテンにするそうです。
※画像をボカしています

そうしている間に、乾燥完了。
最初のプリントと、

葉っぱのプリント。
もうちょっとぼやかしたかったかな~というのと、緑の色が思ったのとちょっと違う。
色作りって難しいですね。。

お隣の友人の作品。
緑プリントをし、その後、グレーをずらして重ねていました。
素敵!

ここで12時。
とりあえずお弁当食べよう~ってことで、ランチタイム。
14時から蒸しますんで~と言われたので、時間を潰すものの結構暇で・・笑。
それをみていた奥田先生が「そこにあるシルク、格安で譲ってあげるからもう1個やってみれば?」と。
じゃやってみよー!ってことで、第2弾です。

いろんな人に「ワイルドやね~」と言われつつ、ドクロ柄の版を選択。
紫で染めた後、ずらして黒を重ねようと思って。

また思ってた紫とちがーう・・色って本当に難しいですね、涙。

プロの場合、色を作るのに丸1日掛けたりもするそうです。
しかもブランドに「サンプルと同じ色で」って言われたら再現しないといけないので、分量等全部メモっているんだそう。
大変ですね。。。
※画像をぼかしています。

紫の後、乾燥させて、版を洗って・・腰と足がガクガクな私ですが、なんとか終了。

そうしている間に、ベテラン職人さんが、葉っぱを使って描いていたので見学。

その辺の葉っぱを使ってこんなデザインができるとは・・流石!!
この職人さん、本当すごい方です。
こういう方がいる工場っていいですね~。しかもすごく楽しそうに仕事されていました。

赤いバージョンはこちら。

職人さんが終わるのを待って、私の染め場に来てもらいました、笑。
端の部分は難しいのでですよ。(すぐ人に頼る悪い癖)

そんなこんなでやっと染め終了。
続いて蒸しを60分。
これは奥田先生のお母様が担当されているそうです。

蒸し待ちの間に、お片づけ。
板場を掃除する職人さん。ここ、みると板からお水が出てるんですよ~。

ちなみに写真撮ってるばかりじゃなくて、ちゃんとお手伝いしてます、笑。
塗料のついたのを雑巾で拭き、乾かしてお掃除完了。

染料を入れた入れ物やハケをみんなで洗っていると、蒸しが完了。
ここでは職人さんがみんなの生地を丁寧に洗ってくれています。(失念しましたが特殊な液を入れてました)

何度も洗っていただいて、乾燥させて終了。

プリント直後からまた色が変わってました。
本当に色って難しい!!

そして、色を変えてプリントするのって本当に大変。
何色も使ってるシルクスクリーンプリントはそれだけで尊敬です。

実際の布のアップは近々UPしたいと思いますが、
すごく楽しかったし、不器用&素人の私でもなんとかできたので、ファッション好きにはかなりお勧めの教室です。
Tシャツやストール持参で染めもできるし、プロの工場で染体験ができるなんてなかなかないですしね。
ものづくりに触れる良い機会だと思います。

私も今度は違う布でチャレンジしてみたいと思います。

奥田染工場はこちらから。

2件のコメント

  1. 以前より楽しく拝見しております。
    今回の工場も素敵なところですね。完成された布のアップも楽しみにしております。
    不定期で良いのでこれからも長く続けてください。

  2. コメントありがとうございます。
    工場は辺鄙な場所にありますがデザイナーさんなども体験に来ているようですよ。
    本当に不定期ですがこれからもよろしくお願いします。

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