smoothday 着心地の良さを発見する服


しばらく前にsmoothdayというブランドと共に、ここの服を創る杉原淳史というデザイナーに出逢った。

ファッションに飽いていた自分が、ファッションを見直す事になった。

かつて色んなブランドの服を”買ってみて”いた。ブランドのスタンプラリーみたいな感じだった。最も多く買った同じブランドの服でも4,5点だったと思う。ところが今一番多いのはsmoothdayだ。15点を超える

smoothdayのことを簡単に書く。詳しくはネットで漁れば出てくる。
文化服装学院を卒業した杉原淳史氏は、サンローラン等でモデリストとして働いた。
その時に、小野莫大小工業の布と出逢ったという。
勤務先の他のデザイナーが、ここの生地を使った服を着ていたらしい。
(生地の端切れが出た時に、真っ先に自分用の服を作りたがる生地でもあったらしい)
「なんと素晴らしい生地だ!でもこんな値段では、みんなが買えやしない。
それではいずれ、こんな素晴らしい生地が廃れてしまう?そんなことはあってはならない」
ファクトリーブランドであれば、この極上の高級生地でもリーズナブルに世に出せる。
そう思って彼は小野莫大小に自分を雇ってデザインさせてくれないかと直談判した。
(実際、その品質からすれば驚くほど抑えられた値段である)
小野莫大小の生地を使うファクトリーブランドとしてsmoothdayを創立した。
今も彼は、小野莫大小工業の一従業員である。

smoothdayの服の最大の特徴は着心地である。
彼は食べ物に喩えた。
「美味しいものって食べたらわかるじゃないですか。うちの服もそうなんです」
試着すると、みんなその言葉の意味を理解する。

今まで多くの服を見て着て、色んな人にも着心地はどう?と聞いてきた。
多くの場合「うん、いいよ」で終わる。時折「動きやすいし」が続く。
これは、実は着心地が良いという意味でなく、着心地が”悪くない”ことを表現しているに過ぎない。
問題無いよという程の意味だろう。

私は、人が想像を超えた美味しいものを食べたとき、人がどうなるか知っている。
その感動で黙るか、変な声を出すかだ。

smoothdayの服ではそれが起こる。
え?これは何?服ってこんなに気持ちよくなるの?と。
肌を愛撫されるかのようだ。いや、あれは布による愛撫そのものだ。
着ることに快楽がある。

「早速着てみたら、脱げなくなった……
出掛ける予定があったが、このトップスに合わせて、コーディネートを変えざるを得ない……」
という感想を貰ったこともある。

こうして大勢がsmoothdayを知って、着心地の良さというものを発見して、まさにその虜になっている。
(但し、そのせいで手持ちの服の着心地の悪さに気付いてしまう弊害も出ている)

杉原氏も元々はモード作品を創っていた。
装苑賞を獲ったデザインはこういうものだ。
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それが何故smoothdayのようなシンプルでエレガントなデザインになったのか?
「小野莫大小の生地に出逢ったからです」という。
シンプルとはいえ、彼のデザインがどれだけ練られたパターンであるかは、手持ちの似た服と比べればわかる。
一見普通に見えて、その裏でパターンに絶妙な工夫がしてある。

smoothdayの代表的なカットソーを見た際には、脇の縫い線を見るといい。
カットソーは洗濯すると斜行する(糸の撚りのせいで生地が斜めに曲がる)。
そうして斜行しても脇縫い線が前から見えないように、脇から背中側に斜めに引かれている。

「いくらウデが良くても、その素材のポテンシャル以上の味には出来ない。最終的にはどれだけ良い素材を入手できるかだ」と鮨職人や蕎麦打ちが語ったのを聞いたことがある。
ファッションデザインが先に進む為に、素材が極めて重要な役割を担うことに気付いているデザイナーが、どれだけいるだろうか。

また副資材の上質さへも手抜きがない。
ボタンのある服には水牛のボタンが使われ、ジッパーにはYKKの高級品であるEXCELLAが使われていることに気付いた時は、驚いた。

「自分がこういう服を知った以上、そういう服にしか袖を通したくない。
そして、明日その服に袖を通したいが為に生きようと思う服を創りたい」
と杉原氏は語る。

世の中には大勢のファッションデザイナーがいる。
毎シーズンテーマの違う、新しいコレクションを作り、繰り返す。
言わせて貰えば、彼らはデザイナーといいつつ、その実、モード作家である。

デザインとはなんだろう。
1つの解答がここに書かれている。

デザインとは問題解決であり、アートとは自己表現である
米国のデザイン教育から学んだこと

そうすると本来の意味でのファッションデザインをするデザイナーは少ない。

smoothdayはデザインもプライスも日常的であり、身体を労り、QOL向上に資するデザインがされた服であり、

杉原淳史氏はまさに本来の意味でのファッションデザイナーの一人である。

2014年7月現在、smoothdayの店舗は無く、Wall大阪店とWall福岡店でウイメンズを扱っているのみだそうだ。
9月には展示即売会を企画しており、新店舗のオープンも進めていくという。
最新の話題はFacebookページにて

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「smoothday 着心地の良さを発見する服」への5件のフィードバック

  1. 杉原「君」呼ばわりは失礼ですよ。
    それなりの年齢なのだから、礼節を知りましょう。

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