お直しとその料金の不可解さ

現在、洋服は既製品の購入が主流です。
かつて洋服はオーダーメイドや洋裁をする人による自作だったようですが、プレタポルテ(ready to waer)の台頭により、店で既製品を買うようになりました。

しかしながら半製品で売られているものがあります。
それはパンツです。

人によって股下が異なるため、ほとんどの場合、買うときに裾上げをする必要があります。
その際に不可解なのが店によって異なる料金体系。

裾上げは必須と考えて、店で裾上げをサービスするところも多いが、中にはプロパー料金であっても裾上げ料金を取るところがある。
高島屋のet vousがそうでした。
私はそのときとても驚きました。
私の知っている多くの店で、裾上げはセール時を除いて無料だったからです。


果たしてそれは適正なのでしょうか?
買う客はパンツとは半製品であるのをわかっているから、完成にかかる手間賃を自己負担するべきなのか?
それとも完成品にして客に渡すのが店としての任務であるして、店が負担すべきなのか?

裾上げに関しては、自店で行うところもありますが、外注しているところも多くあります。
そういった場合、店に負担になるとして、その費用を客に転嫁するのも、仕方ないことかもしれません。

ただ、多くの店で裾上げ無料サービスを実施していますから、客は裾上げは無料で、値札の料金だけで買える思っている人も多いでしょう。(私がそうだったように)
そういう客にとって買うときに「裾上げは別料金になります」と言われると困ってしまうわけです。
「他で買えば裾上げ分千円安くなる」そうは思っても、試着してピン止めまでして買う商品です。断りにくいこともあるでしょう。
少なくともサービスを売りにする百貨店において、裾上げが有料であることを客に周知させないのは、手落ちではないかと思うのです。

またお直しに関して思う事は、ジャケットの袖丈もほぼ必ず直すところではないかと思います。
スーツのジャケットでは、シャツの袖が出るようにするのがセオリーです。
しかしほとんどのサラリーマンがそうでない。
なぜならジャケットの袖は、短く出来るよう、長めに作ってあるからです。
そしてそのジャケットを買ってそのまま着ているわけです。
その着方を訂正しない店員は、フィッティングアドバイザーとしての職務をまっとうしていないと言えるでしょう。
袖丈直しの料金が高いのも一因です。

現在セレクトショップのスーツは、客の袖丈に合わせられるよう、袖ボタンを付けていないで売っています。
客の魅力を引き出す服を提案するためには、そうする必要があると考えてのことでしょう。
ところが先のet vousでは「袖ボタンが付いていますので、1.5cmまででしたら袖で直せます。しかしそれ以上でしたら肩から直さないといけません」と臆面も無く言う。
ジャケットを肩から直すという事が、どういうことか理解していないと考えます。

私としては、裾上げ無料サービスを行うことが一般的であるように、袖詰めサービスも無料にして欲しいところです。

そして袖丈違いのシャツや裾丈違いのパンツがあるご時世。
袖丈違いのジャケットもあっていいような気がします。
まだまだサービスの余地があると思うファッション業界です。

–PR–
あまりオススメではないけれど、こういう裾上げ用品もあるみたいです。
針・糸を使わず裾上げができる布専用タッチボンド


Comments

“お直しとその料金の不可解さ” への19件のフィードバック

  1. パンツの裾上げまでは
    リアリティーのある話ですが
    袖上げは業界的には、かなりヘビーな話だと思います。
    実現されると嬉しいですけどね。

  2. >kent
    業界的に難しいのはよくわかりますが、シャツより短くないといけないというルールがある以上、求められるところだと思っています。
    せめて客の腕の長さに合わせられるよう、ボタンを後付けするようにはなって欲しいかな。

  3. これは先を越されましたね~。裾上げについては近いうちにネタにしたいと思ってます。
    スソ上げって、簡単なように見えて実は奥が深いところなんですよね…。何せどんな人でもパンツの丈はほぼ直すわけですから。
    スソ直しについてはかなり痛い目を見たので色々訴えたい想いがありますね(笑)

  4. >Alceste
    そうですよね。
    裾の絞り具合もあるんで、縮め具合によっては、パンツのシルエットがキレイに出ないですからね。
    私も昔は痛い目みました。
    立って靴を履いたときのバランスでカットして、短くなりすぎたのが何本か。
    今は床寸丈か、ちょっと長めにしています。

  5. >高島屋のet vous
    レディスですか?メンズで裾上げ代金とられたんだったらクレームものですよね。

  6. >kenji
    レディスです。
    et vousに現在hommeは無いみたいですね。

  7. レディスですか。レディスだと裾上げ代金とるところ多いみたいですね・・・。まぁ、商品説明の段階でアナウンスはあってしかるべきだとは思いますが。
    袖詰め無料サービスについてはあればいいとは思いますが、商売としては難しいでしょうね。それをデフォルトにしてしまうとその分価格が上がり結局消費者にとって不利益に働いてしまうと思います。

  8. だからプレタポルテは嫌い

    私の場合

    Bでジャストサイズに合わせると

    手が長すぎて

    袖が短すぎる事もありますし・・・

    ほんと融通が利かないのが難点

  9. 既製服を作るのだから難しい問題ですね。でもスーツならまだオーダー出来るだけましかも。いまではボタンを後付けにできるスーツも売ってますね。私は職場ではスーツを着ないので、大雑把にS,M,Lとか44,46,48等という表記で作られたものを着ていてジャストサイズというわけにいきません。この手のやつはジャケットなんか肩で合わせるしかないですし。

    自分で作れればいいんですけどね。。。

  10. kenji
    私は消費者に不利益とは思わないですよ。
    パンツの裾上げサービスがデフォルトで、不利益被っているとは思いませんから。
    レディスって裾上げ料金取るとこ多いんですか。知りませんでした。

    >Maze
    インポートはドメブラより袖が長いですが、それでもダメですか?
    うーん、それはイタイですね。

    >masato
    既製服だからといっても、パンツの丈を自分で決められますから、ジャケットの袖も決められるようになればいいと思うんです。
    確かに自分で袖つめできればいいんですけどね(笑)
    私はパンツの裾上げで、シングルの場合、自分で手縫いしちゃいます。

  11. でも、拘りだすとボタン後付のジャケットでも、どこから袖を開くかなど気になりませんか?その位置も移動できるのかな。シャツだと出来ますよね。

    カジュアルウェアのジャケットの袖丈は、どうしてますか?長めにしようとする販売員て多くないですか?

  12. thereby,のアバター
    thereby,

    はじめまして、こんばんは。

    私は男性ですが、殆ど同じ店舗で買うことが多いので、むしろ裾上げはお金が掛かるのが当然だと思っていました… 普通はそうではないみたいですね、お店に文句言おうかな~

  13. >masato
    ボタンの数にもこだわりが出てきそうですね。
    カジュアルジャケットは確かに長めにしたがる人が多いです。

    >thereby,
    私は、プロパーで買ったら裾直しは無料だというのが普通だと思ってました。
    店に一言言ってみたらどうでしょう。

  14. ブルーのアバター
    ブルー

    私はユニクロで働いてますが、声を大にして言いたい!
    モーニングカットもダブルステッチも出来ません!他社製品の裾直しもしてません!ましてやジャケットの袖丈直しなんか出来ませんよ!何故だかユニクロをお直し屋と勘違いしてる人が多いようですが、違いますよ〜!
    シングルステッチかまつり縫いしか出来ないし、自社のパンツ以外お直しはしてません!常識で考えて下さいね〜。あ〜、すっとした☆

  15. >ブルー
    あー、お直し屋と勘違いをしている人もいるんですか。
    ただ、自社品のものであれば、有料でもダブルやモーニングカットができるようになってもいいかもしれませんね。
    設備や教育は大変でしょうが。

  16. はおしのアバター
    はおし

    途中で論点が変わってますね。直し料金が有料である事を周知しろと言っているのに、後半では無料でやれと。

  17. >はおし
    指摘されたので読み直しましたが、残念ながらご指摘が的外れに思います。

  18. 通りすがりのアバター
    通りすがり

    納得いかないのなら、買わなければいいだけのこと。

    店の方針は客が決めるものではないんです。

    店がお直し料を取ると言うのなら、そういう方針の店なんだから、しょうがないでしょう。そんな店からは買ってやらなければいいだけのこと。

    店の方針に対して文句を言うのは立派なクレーマーです。私は店側の人間じゃないですが、嫌なら来るな、って店側だって思ってると思いますよ。

  19. 仰るとおり、これは店のあり方に対して立派なクレームです。
    納得がいかないものは当然買いません。気に入らない店には行きません。
    ただ「買わなければいいだけのこと」とは思いませんので、こうして主張しています。

コメントを残す