(先日ファショコンのBBSで紹介されていた内田樹さんのブログ記事を参考にしました)
<<日本社会におけるブランド商品や流行感度はもっと「微細な」差異を指示する記号>>
このフレーズに大いに得心した。
考えていたことを明文化してくれたフレーズである。
得てしてお洒落を語るときにアイテム、ブランドの羅列でセンスを計り知ろうとしていることが、見事にファッション記号論に当てはまる。
ファッションは記号であり、オシャレはその記号の和に、容姿とセンスと表現テクニックの係数(いわばオシャレ係数)を掛けたものではないか。
・「このアイテムには何を合わせればいい?」
面白いことに、世のファッションに疎い方々もファッションは記号だと認識しているのである。
しかしオシャレにはそれらの記号に係数がかかることに気付いていない。それが決定的なのにだ。
そのことに気付かずアイテム論で終始するために、クールビズやカジュアルフライデー、ドレスダウンがあのような体たらくになってしまう。
・「好きなブランド(デザイナー)は何ですか?」
(着るor着たいという意味で)
これには私も大学時代に陥った。
確かに好きなデザイナーを並べてゆき、それらがみな近い雰囲気を持っていれば、その人の格好の系統は想定可能だ。
彼は「自分はこんなデザイナーが好きです」と語ることで自分のセンスを計ってもらおうとしている。
このブランドを着ることでその記号価値を身につけようとしている。
そしてそれを着こなしていると言いたい。
ところがデザインを審美するセンスと、オシャレ係数はまた別だ。
それを考えずにブランド=記号を並べても、それはその人のオシャレっぷりを表すものにはならないのだ。
ちなみに私は、ここで偉そうに語っているレベルほどのオシャレ係数は持っていない。
自分の知識とオシャレの乖離に情けなくなるが…
コメントを残す