記号とオシャレ係数

(先日ファショコンのBBSで紹介されていた内田樹さんのブログ記事を参考にしました)

<<日本社会におけるブランド商品や流行感度はもっと「微細な」差異を指示する記号>>

このフレーズに大いに得心した。
考えていたことを明文化してくれたフレーズである。

得てしてお洒落を語るときにアイテム、ブランドの羅列でセンスを計り知ろうとしていることが、見事にファッション記号論に当てはまる。

ファッションは記号であり、オシャレはその記号の和に、容姿とセンスと表現テクニックの係数(いわばオシャレ係数)を掛けたものではないか。


・「このアイテムには何を合わせればいい?」

面白いことに、世のファッションに疎い方々もファッションは記号だと認識しているのである。
しかしオシャレにはそれらの記号に係数がかかることに気付いていない。それが決定的なのにだ。
そのことに気付かずアイテム論で終始するために、クールビズやカジュアルフライデー、ドレスダウンがあのような体たらくになってしまう。

・「好きなブランド(デザイナー)は何ですか?」
(着るor着たいという意味で)

これには私も大学時代に陥った。
確かに好きなデザイナーを並べてゆき、それらがみな近い雰囲気を持っていれば、その人の格好の系統は想定可能だ。
彼は「自分はこんなデザイナーが好きです」と語ることで自分のセンスを計ってもらおうとしている。
このブランドを着ることでその記号価値を身につけようとしている。
そしてそれを着こなしていると言いたい

ところがデザインを審美するセンスと、オシャレ係数はまた別だ。
それを考えずにブランド=記号を並べても、それはその人のオシャレっぷりを表すものにはならないのだ。

ちなみに私は、ここで偉そうに語っているレベルほどのオシャレ係数は持っていない。
自分の知識とオシャレの乖離に情けなくなるが…

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Comments

“記号とオシャレ係数” への4件のフィードバック

  1. こんばんわ!
    いやぁ、なるほど!って感じです。
    ちなみに私は、ブランドの知識とかは人並みよりは多少雑誌などで収集してるため、少しはあるかな!?って感じですが、
    悲しいことに、オシャレ係数がかなり低いです。。。
    オシャレ係数ってどうしたらあがるんでしょうね!?
    オシャレになりたーいっ!!!

  2. >あゆみ
    いらっしゃいませ。
    コメントありがとうございます。
    「知識はある」これは材料はある。と考えてもいいんでしょうね。
    審美センスもお持ちのようですね。
    料理に例えると、食材の良し悪しはわかり、味覚センスもあるという状態かな?
    あとは料理のテクニック!
    レシピ通りの調理では水準並の味しか出ません。

    さて、ここまで説明したら、あとはご自分で!(笑)

  3. このアイテムには何を合わせるかと考えていくと、この人には何を合わせるかを考えることになりそうですね。ま、それで似合うとか似合わないとかがあるのでしょうけど。好きで着ていたとしても似合ってないと痛いですね。自分の居場所のようなものを見つけられると幸せなんでしょうね。僕は似合ってるかな。他人の目で見られると面白いような、怖いような。

  4. >masato
    好きで着ても、似合っていない人のいかに多いことか!!
    私は外れた格好はしていないつもりですが、その裏には好きでも着られない服というのがあります。
    いわゆるロックやワイルド、そしてセクシー系の格好は無理ですね。
    ディオールオムや、グッチ、YSLはカッコいいと思っても、着られない服ばかりです。

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