今日は予め早退の予定。9月からの研修を探しているので、面接をする。表立って理由は言わないけど、早退することだけは一緒に仕事をする人に言っておく。それに合わせて仕事を回してくれるから。

今日も相変わらず鞄作りの手伝いと、失敗した染色のやり直しを検討。こんなのスティリストの仕事じゃないと思う人もいるだろう。でも、色を大切にできない人はスティリストにはなれない気がする。

恥ずかしい話だが、私が文化服装学院の夜学にいたとき、どうやってコレクションが出来るのかわからなかった。icon_rolleyes 作りたい服は単発的にある。ジャケットはこういうの、スカートならこれが好き‥といった実に幼い発想。

文化の授業は、デザイン画の授業ではデッサンのテクニックには触れるがデザインそのものが分からなかった。手芸も、手仕事が好きだから好きだったし興味があったけど、どうやってこれが利用されるのかわからなかった。色彩の授業も同じ。才能や芸術の感があれば、ここを出てもプロになれる人もいるかもしれないけど、私は違った。

一つのコレクションにテーマがあるのは漠然と知っていた。でもどういう理論があるのか。これはこっちの学校に来て本当にそれを学んだ。むしろ、こっちで言われたのは『スティリストは芸術家ではない。気が向いたら作品を作るのではなく、きちんと時間をオーガナイズし、理論に基づいて服を作る仕事』。

テーマに対する色作り、素材作りそして、形作り(型紙じゃない服としての形)。これらに関係する要素をフランス語(アクサン省略)では知っているが、正確に日本語に訳せない。順にいうなればGamme de couleurs(コレクションで使用する色の調和を考えた配色群)、effets matieres(デザインポイントとなる素材、例:刺繍、リボンワーク、布で出来たモチーフ等)そして、形を現すのはvolumeとsilhouetteという言い方で説明をする。ラインにあたるligne(リニュ)も使うがパターン上の線の意味合いもあるから、どっちかと言うと前者2つかな?そしてこれらがどのように組み合わさって、理論としてコレクションが成立するのかを学んだ。

前に言った、ロフィシャルと言うコレクション雑誌(L’official 1000modeles)の各デザイナーのページを開いて、このコレクションのテーマは何?という議論を交わす授業があった。ここで服に関するありとあらゆる形容詞を聞いた気がする。そうしてフランス人的(ヨーロッパ的か?)感覚を知っていった気がする。

で、大きく脱線したが、こんな感じでコレクションが組み立てられるので、当然色は大事。学生の作品発表ではGamme de couleursは気に入る色が出来るまで、絵の具を混ぜては探し出して作品に添付、実際に布(端切れ程度)に染めて色調見本を作り、改めて調和を見るということを繰り返した。だから、今回の服に合うのはもちろん、デザイナーのイメージに合う色を徹底に追及し、ミスをしたら取り返すくらいは当然だと思う。

で、ようやく何とかなり、鞄の仕事もやるところまでは終わらせて面接。

今日のデザイナーは日本人、まずパリで認められ、最近日本にもブティックが出来た人。約束を取り付けたのはフランス人のスタッフ。もちろん、そうやって成功した人が日本人だらけの事務所で働いているとは思っていないからいい。ただ、この頃の状況で、フランス語が低下していたら嫌だなと心配。

こっちでは面接は、『自分の作品(経歴や経験)を見せる』こと。だから話しましょうと言われたら、作品(今までの作品をまとめたブック)を取り出して自分のスタイルについて説明する。もちろん、何が出来るのか得意かもはっきり伝える。そうやって話していたら、なんとデザイナー本人が会いに来てくれた。始めの挨拶は簡単に日本語を交わすが、当然面接の続きはフランス語。

彼の心配は、日本人のアトリエだからと言って日本人が仕事していると言う意識は持って欲しくないということもあったみたいで、私の意識や態度も見られるし、フランス語の試験も受けた気持ちだった。まぁこれは、自分の意識のなかでも、同じ事が言えて、フランスに来たのに日本人のアトリエで働きたくないと思っていた。だから今回の面接で、パリのクリエータと同じアトリエであると感じたので、私は問題ないと思った。むしろ、日本人だったパリジャン・クリエータとして先駆者のやり方も見れるから面白いかなぁとも思った。

そうそう、スタージュの面接でデザイナー本人に会ったのはこれが初めて。普通は研修生なんかに会ってくれないeekというより合う時間が無い。rolleyes だから、忙しいのに着てくれたのだと分かってるのでとても嬉しかった。

とはいえ、その面接の後、別の研修先に問い合わせのため、知り合いに会いに行った。志望動機の手紙の内容を少し直してもらい、どのように問い合わせるか聞いた。ここは本当に大きなメゾンで、普通に手紙を送っても捨てられるだけと言う感じ。紹介者の言うとおり、書類を渡しに行ったら、後は彼女が電話で話してくれると言うくらい、コテコテのコネ。普通の面接のように話したり出来ないから、作品を紹介するデッサンやイメージを厳選。しかも2枚程度しか渡せないだろうから‥。これで興味を持ってもらえなければ終わり。まぁ運試しだと思ってやってみる、女は度胸だから。biglaugh

今日の面接も、大きなメゾンの書類審査も結果が分かるのは来週。では!

Posted on: 2005年7月21日
Categories: ファッション

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