ヘルマフ&ロディタス(HELMAPH & RODITUS)の 2015 S/S コレクションは、ブランドのアイデンティティともいえるミリタリーテイストとレース使いが、より洗練された形で発表されていた。
例えば、1950年代のフライトジャケットのクリップ留めのディテールを再現する等、ミリタリーへの細かなこだわりを見せつつ、F-2ジャケットのジップポケットにレースをあしらって透けるようにする等、得意のレースを用いたフェミニンなイメージが随所に盛り込まれており、ヘルマフ&ロディタスらしい、ハードとソフトのハイセンスなミックス感が印象的なコレクションであった。
また、今季はモチーフ柄のレースを初めて取り入れたとのことで、1つのモチーフ柄のバリエーションが沢山採り入れられていたのも印象的であった。
デザイナーとしては、「これをどうやって着よう」と着用者が考えるという、服を着る上での本来の楽しみを後押しするような服作りを心掛けているのだそうだ。例えば、パンツに透ける素材を用いて、その中に自分好みのレギンス等を合わせられるようにしたり、アウターに透ける素材を用いて、インナーに着用しているアイテムとのコーディネートを楽しめるようにしたりと、着用者のスタイリングの自由度がより高められるように配慮されたアイテム作りに、そういったデザイナーの意図が現れていると感じた。
尚、今季はユーズドの複数のTシャツをパターンに分けて継ぎ接ぎして1つのアイテムに再構築し、これにレースをあしらったり、自前のジーンズを大胆にカットして腰部分に分量感のあるレースをあしらったりと、リメイクのアイテムのシリーズも発表されていた。
全体として、挑戦的で大胆なフェミニンさを軸にコレクションが展開されているのが好印象であった。