2012-13aw、KAMISHIMA CHINAMI展示会。

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KAMISHIMA CHINAMIの2012-13秋冬の展示会に行ってきました。
いつもKAMISHIMA CHINAMIの展示会に行くときは、相方についていって説明を横目に好きな服を試着して楽しんできましたが(まるで冷やかし・・・)、今回は一人での取材です。



来期のテーマは「冬の森」。

静かな白い冬に 咲き誇る鮮やかな花びら
力強い青々とした緑
移り変わる季節に寄り添うように
乱反射する

寒さや厳しさをグレーや黒などのダークトーンで表し、赤を用いて明るさを見せることで、静けさの中の生命力を出したというシーズンです。
ショーでは、今回は照明も明るくし、ランウェイを明るく、また、単品での綺麗さを見せるためにほとんど重ね着をしなかったそう。

ショーでも使われていた森のプリント。
寒い地方でよく見られる針葉樹からなる森を遠くから見たような絵になっています。
針葉樹は凍りつく寒さの中でも葉を落とさず、生命力があるので、テーマがズバリ当てはまりますね~。

ショーで使われていたベルト。
アトリエの皆さんで今回も手作りしたそう。
「欲しい!!」と言ったら「売れません!」と。。。
ネックレスとして巻いたら可愛かったんですけどねえ~。
いらなくなったらください、とお願いしておきました、笑。

ワッシャーツイルストレッチのワンピース。
コーマ糸という、糸を均一にするために短い繊維を除去し、細い番手ながらも糸ムラがなく、光沢と丈夫さのある糸を使って作ったツイル織の生地を使っています。

襟を全部閉めると台襟っぽくサファリ風になります。

同じくワッシャーツイルストレッチのスカート。
今シーズンは、トップスにボリュームを持ってきて、ボトムスを台形スカートなどで細くしめる、というスタイルを提案しているそう。

ラビットファーのスヌード。

畳むとこんな形になっています。左側の飛び出ているのが胸へ。
ゆとりがあるように作られているんですね~。

ブラッシュプリントメルトン。
糸は120番手のスーパーウールを使っています。
120番手というと繊細、というイメージですが、メルトンに顔料プリントを施したことで、独特な硬さを持った生地に仕上がっています。
ちなみに柄はハケで描いたものをデジタル化したそう。
今回のコレクションの3大柄のうちのひとつです。

軽さを出すためにあえて切りっ放しにしたそう。
実際着て見ると驚くほど軽かったです。
コートで軽いと重宝しますね~。
(ただ、残念ながら驚くほど似合わなかった・・・苦笑)

ファインメルトンのコート。
腰部分に付いているのはウサギのリアルファーです。

色違いを試着してみました。
メルトンだから重さはあるかも?と思っていましたがすごく軽い!
ナイロンを少し混ぜたウール糸には、希少性の高いファインウールを使っているとのこと。
毛が細いから軽いんでしょうか。
お洒落も大事ですが、薄く、軽くも大事ですよね~。
その辺、KAMISHIMA CHINAMIはバッチリです!

これ、アップで見ると分かるように、ラペルとカラーが別々なんです。
不思議なデザインですね~。

ウールボアのブルゾン。毛足がとても短いです。
表面を覆う起毛部分のウールは90%にもなり、生地内部に空気の層を作るので、保温性があり、とても暖かいとのこと。
なるほど~~。良く考えられて作られていますね。

一見、部屋着にもなりそうな素材なのに(失礼!)、あわせの部分がレザーになっていたり、背面にメルトンを使ったりしているので、大人な女性が着ても大丈夫なデザインです。

背面はこんな感じ。

モダールソフトツイルのコート。
タテ糸にナイロン、ヨコ糸に綿とモダールの混紡糸を使って二重織をしています。
二重織をすることで、化繊のギラツキをコットンによって抑えているそう。
また、生地内部に空気を溜め込みやすく、結果として保湿性が高く、アウターにはぴったりの素材なんだとか。

折り曲げるとドレープもやわらかい感じです。
中に中綿も入っているので、見た目より断然暖かいコートでした。

ラメ入りのニット。
生後6~7ヶ月以内の子羊から刈りとった羊毛を混紡したラムズウールの糸を使っています。
二重臼という編み方によりラメ糸が均一に表面に出てくるようになっているそう。

言われてみると、ラメが均一に見えてきます。

そして、今回のコレクションの3大柄のうちの2つ目、枝チェックサテン。
冬の間に硬く乾き、冷たくなった枝から春になると青々とした生命が芽吹くことから、枝とモチーフとして使い、チェック柄を出したそう。
個人的には一番好きな柄です。

アップにすると、枝から芽が出ているのがわかりますよね!

色違いのロングワンピース。

ハイゲージニット。
右側だけ、引き伸ばしたようになっているの、わかります?
裾のリブも途中で切れ、肩の位置も横にずれています。

これによって、着た時に綺麗なドレープができるそうです。
なるほど~。

個人的にお気に入り、シルクサテンのシャツ。
表地もシルク100%、裏地もシルク100%で、しかも、裏面全体に裏地をはっている、というなんとも贅沢な一品です。
製品染め(製品を作った後に染める)をしているので、表も裏もシルクの方が馴染みがよかったんだそう。
本当、これは綺麗でした~。
子どもがいなかったら絶対買ってる。ワイドパンツに合わせてさらっと着たいです。

裾から裏地のシルクがチラッと見えています。
贅沢な使い方!

また、今回は身頃部分を前と後ろでつなげたものをいくつか使っていました。
例えばこちら。
ね、袖の切り替えがないですよね。

身頃が続いているので、着物のようになり、腰の部分にたまりができるシルエットになるそうです。

こちらのシャツは、背中のところから別の布を重ねていました。

同じように、身頃をつなげているブラウス。
これは、コレクション3大柄の最後、シクラメンモチーフのブラウスです。
シルク100%の布にシクラメンの花をモチーフにしたデザインをインクジェットでプリントしています。
シクラメンは冬の花として有名ですよね。
通常はうつむいた状態で花を咲かせますが、今回は、たくましく!をイメージしているので上向きの花として描いたそうです。

身頃続きのデザインなので、肩のところで、シクラメンのデザインが切れちゃう、ということはありません。

こういった作りを説明するために、パターンの簡略化図まで描いていました。
(これは前と後ろが繋がっているブラウスの図ですが)
丁寧ですね~。

めっちゃ長くなってしまいましたが、これだけブランドが大きくなって、いろんな方に愛される理由が分かりますよね。
細かい気配りやひねりが沢山あります。

いまだに服作りの拠点は北海道で、社員の8割の方が北海道にいらっしゃるそうですが、これからも北海道から素敵な服を作っていって欲しいです。
また、長々説明してくださった上に写真まで撮ってくださったKAMISHIMA CHINAMIの沼田さんに感謝です!!





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