Guild of Crafts~靴作りVol.2-3~

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続いてすくい縫い。

すくい縫いとは、1本の糸の両端をすくい穴の中で交差させながら
ウェルトとインソールとアッパー(ライニングを含む)を一気に縫うことである。
これによりウェルトがアッパーに固定される。


最初に、靴を下の写真のように固定する。


(画像をクリックすると拡大します。以下同様)

次に、吊りこみの時に打った釘を1本抜き、
すくい穴にすくい針を通して、
まだ穴の開いていないアッパーとウェルトに糸を通すための穴を開ける。

そして、開けた穴に、糸の全体の長さの半分の位置まで糸を通す。
これにより左右の糸の長さが均等になる。

次に、釘をもう1本抜き、アッパーとウェルトに再び穴を開けた後、
以下の写真のように両側から針を通す。

そして、以下の写真のように、糸を針にかける。

その後、両針を抜き、引っ張る。
このとき、靴の外側にくる糸を木の棒に巻きつけて強く引っ張りつつ、
内側にくる糸を親指につけた革に巻きつけて引っ張る。
この引っ張りが弱いと、ウェルトの固定が甘くなる。

このような感じに数針縫っていくと、以下の写真のようになる。

穴を開ける様子もおわかりいただけるであろう。

このようにして、かかと以外の全ての部分にウェルトを付け、
最後の一針を縫った後、余ったウェルトを包丁でカットする。

このとき、勢い余ってしまって、
アッパーの部分にをつけてしまった。
しかも外側の部分・・・。

ちょうど傍でみていた講師に
ちょっとした悲鳴を上げさせてしまった位である。
「内側だったら、まだ良かったんだけどね。」という
言葉が悲しく響いた。

すくい縫いが終わった写真は以下の通り。

最後に、インソールをラストに固定していた釘を抜く。
これを抜かないと、アウトソールをだし縫いした後に、
ラストを抜くことができなくなる。

両足すくい縫いが終わり、釘を抜き終わった写真は以下の通り。

ここで、靴を裏返しにするとこんな感じ。

アッパーの下の部分から、ウェルトが張り出しているのが、
お分かりいただけるだろう。

さらに立派な靴・・・に見えるのは、本人だけだろうか。

2日目の作業はこれでおしまい。
終わったのはまたしても午後7時。

今日のすくい縫いはとても楽しかった上に、
綺麗に縫えていると褒められてしまった。
プライマリーコースが「すくい縫い」だけであったら、
私は勘違いをして靴職人を目指していたかもしれない。
(そして後で痛い目を見る羽目に・・)

ちなみに、7回コースの人は、
さらに竹のシャンク取り付けとコルク詰め作業を行っていた。
(ただし、すくい縫いは片方だけであったが)
この竹は、お正月に使った門松をリサイクルしているそうな。
なんともエコロジーな話である。

つづきはコチラ。
Guild of Crafts~靴作りVol.3-1~

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