「お洒落は足元から」という、もう検証されつくしたような言葉があります。
そのフレーズ自体は他で検討していただくとして、今回は足元からその人のスタイルというかスタンスが見えるという話です。
カジュアルであっても靴からファッションが見えたりしますが、主にスーツスタイルでの革靴から判断できることを語ります。
うまく系統立てて語れないので、例を挙げてみます。
【ベルルッティやブランキーニなど工芸品的靴を履く人】
靴マニアかつ、顕示欲の高い人です。
品質はいいのでしょうが日本のビジネスの現場で、このような靴はものすごい違和感を放ちます。
【リーガルやスコッチグレインなど比較的安価な靴を履く人】
靴に特別興味があるわけではないが、作りの悪い靴は良くないと知っていて実用性を重視している人。
また、靴で見下されないようにしている可能性もあります。
【クロケット&ジョーンズなどクラシックなグッドイヤー靴を履いている人】
品質に対する意識は高く、いい靴を長く履こうとしている人。
【スクエアトゥの靴を履いている人】
これは最近の20代~30代前半に多いのですが、この靴の形はシルバノマッツァにより’90年代後半にモード界で一世風靡した形です。
スクエアトゥという形自体はクラッシックに由来するらしいのですが、それがモードで取り上げられたことにより、この靴は、若者とオシャレというイメージを得ました。
しかし現在、しっかりしたシューメーカーでこの形の靴を作っているところはありません。
ですので必然的に、品質は良くない。値段もそこそこというものです。
この靴を履く人からは若者らしいセンスで、ちょっとオシャレをしたい人というのが見えます。
その裏には、高い靴は買わない。靴を品質で選ばない(或いは選べない)という印象を持ちます。
個人的には、現在でもスクエアトゥを選ぶ人は、ポロシャツの襟を立てるオジサンのように、いつまでも自分の青春期の格好を引きずって行く人のような気がします。(突っ込み不要)
また、近所に美靴工房という良い靴の修理屋さんがあり、靴をよく修理するようになったのですが、そうなってから、靴のメンテナンスに意識が行くようになりました。
そうして見えてきたのは、良い靴やオシャレな靴を履いていてもいつも磨かれていなかったり、ヒールがガリガリにスリ減っている人は「せっかくいい靴履いているの、活かす力の無い残念な人だなぁ…」と評価が下がりますし、一見ダサいオジサン靴を履いていても、しっかり磨いてある人は、身だしなみ意識の高い人だと思えます。
そうすると、共に品質に対する眼力は貧しい人だと思いながらも、後者の方を信頼したくなります。
人を見るときに服装からも多くの情報は得られますが、日頃の使用状況が表れる靴からの情報は、服のようには取り繕えない気がします。
革靴は(特別なマニアでない限り)3~6足くらいのローテーションでしょうから、その人と付き合いその数足の靴を見れば、スタンスは想定できそうなものです。
ですのでホテルマンは足元で人を測るという噂は、充分理解できる話です。
ちなみに私の履いている靴は
リーガル(2年間)
アルフレッドサージェント(5年間)
パラブーツ(3年間)
シルバノサセッティ(5年間)
グレンソン(1年間。馴染ませ中)
です。
さて、上記も含めずっと3~5万円を基準にして購入していたのですが、もっといい靴を買おうと思いはじめました。
スーツだと7万でも普通だと思うのに、靴だと7万で高いって思うのも不思議ですよね。
たった数足買えばずっと履けるのですから、値段で妥協するより超お気に入りの靴にした方がいいと思った次第です。
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