パリコレ見聞録2nd 10/11~14(7日目~10日目)完結

これ以後は全て観光日記。

<11日>
さて、11日は6時起きでギャルデリヨン駅に向かいTGVでエクスアンプロヴァンスに向かう。
フランスに来ての3日間は冷え込んだが、4日目以降は晴れの暖かい日が続いた。
念のためにと持っていったコートも出番を失い、無駄な嵩張りとなってトランクを圧迫する。
展示会場で沢山集めた冊子類は、多くて重い。
すでに半分空だったスーツケースは、ほぼいっぱいになっている。重くなったスーツケースを引きながら、帰りの飛行機で重量オーバーにならないだろうかと心配する。
早朝、陽が昇らないうちの出立


ギャルデリヨン駅でクロワッサンを買ってTGVに乗車。
改札が存在しないことに驚いた。
駅に入ってすぐに、電車のホームがあるのだ。
自分で勝手に脇においてある機械で入札チェックをする。
但し乗り口には駅員がいて、切符を確認している。

パリ~エクスアンプロヴァンスの800キロ以上を、わずか3時間で結ぶ。
窓の外には牧草地帯が広がり、放牧された牛がいっぱいいる。

11時にエクスの駅に到着。
町中までバスで向かうのだが、バス乗り場で少し迷う。
近くの老婦人に「このバスはエクスの町中へ向かいますか?」と英語で訊くと「行きますよ」との返事。
運転手にやはり英語で「エクスまでいくら?」と聞くが、英語を解さないようす。
それを見かねて先ほどの婦人が「エイト」と助け舟を出してくれる。
乗った後も「説明しましょうか?」と親切に声を掛けてくれた。
こういう旅先での親切は本当に嬉しい。

20分後に町中に到着して婦人に「ありがとうございました」と謝辞を述べると「良い滞在を!」と言葉をもらい、握手をして別れる。

ここに滞在中の友人に電話をしてバス停に来てもらい、そのまま目処をつけておいたホテルへ案内してもらう。
「Hotel des ARTS」1泊33ユーロのエコノミーホテル。
ベッドはダブルサイズとムダに大きい。
日本のガイドブックにも出ているからか、男性スタッフが片言の日本語を話す。
「コンニチハ」「アリガトウ」が喋れるのはわかるが「マタアトデ」と言った時はちょっと驚いた。

そのままエクスの町中を案内してもらうが、沢山の噴水と一つの聖堂があるだけで、あっという間に回り終わった。
ちょっとブティック探しをしてみるとGAGOというモードセレクトショップがあり、先端モードをカバーしている。
日本ブランドはCdG、アンダーカバー、ジュンヤ、TAOそしてsacai。そうかsacaiはここまで力を持っているのかと驚嘆。
メンズ館もあり、そこには初めて見るクリスヴァンアッシュ。
いや、クリスはいい。
フードにポケットをつけていたり、色々舌なめずりしたくなるディテイルが隠れている。

<12日>
友人と一緒にマルセイユに行く予定だったが、体調を崩したようなので「悪いけれど一人で行って来て」とメールが来た。
バスに乗るのも、現地で買い物するのも不安だが、行ってみようと決意。
たったの3.8ユーロでマルセイユまで着く。
パリについでフランスで2番目の街だというが、パリが大きすぎるため、比較にならないそうだ。
日本で東京についで2番目の都市というと、大阪が浮かんだりもするが、マルセイユはパリ=東京に対して、宇都宮とかそれくらいの差があるそうだ。

バス停から港まではガラが悪く、少し不安。


港では漁師たちが獲ってきた魚を売っている。
モード美術館があって、折角だから入ろうと思ったが、今はお休み中だという。

港のカフェで昼ごはんを注文。
鍋いっぱいの茹でムール貝を注文したら、本当に沢山。

数えながら食べたら、53個も入っていた!!
予想外に食べきれたが「胃の中はムール貝だらけか…」と思ったら、少しイヤな気持ちになった。
この写真の通り、なぜだか山盛りフライドポテトが付いてくる。
こんなにいらないよ!!
しかし日本にいれば週に3回以上麺類(主にラーメン)を食べるのに、フランスではパンが主食。
あぁ、おいしい麺が食べたいと思う。
(ところで「バゲットはフランスで主食のパンだからフランスパン」実にうまいネーミングではないか!!)

夕方前にエクスに戻り、疲れていたので、早々に就寝。

<13日>
世界遺産を見たいと思い、友人とアヴィニョンへ向かう。
バスで1時間、片道13.9ユーロ。

到着してお腹が空いたので、公園にいた若い日本人女性2人組に声を掛け「美味しい店ご存知ですか?」と訊くが、顔を見合わせながら「支庁前のカフェは美味しくなかった」って、それじゃダメじゃん…
仕方ないので適当に歩きつつ、ケバブを買って食べたら、とても美味しかった。


洪水で何度も決壊し、再建を断念したというアヴィニョン橋。

街で見たアリエナイ標識。

この町は城塞都市で、街の周りを城壁が囲んでいる。
中々見ごたえのある街だ。

エクスに帰ると、友人のホストファミリーが下宿生を集めてフランスの食事講習をするというので誘われた。
きちんとコースで食事が供され、舌鼓を打つ。
帰り道を歩いていると、一緒に食事をした女性がフランス語で話しかけてきてくれた。
「フランス語喋れないんです」と英語で話すと英語に切り替えてくれ「どうしてエクスに来たの?」なんて話が始まった。

英語で
「私はファッションが好きで、パリコレクションを観に来ました。それを観た後で、友人のいるこの街に遊びに来たんです」
そして「フランスに行きたいから、長いお休みを下さいとボスに話したらダメだといわれました。それで私はクビになっても行きたいですと言ったんです」
「それであなたはどうなったの?」
「しっかりクビになりました(笑)」と
そんな話をした。
このとき、フランスに来て挨拶だけはフランス語を喋ったが、会話においてフランス語を喋る気が全く無かったことに気が付いて、我が事ながらとても驚いた。
英語が万能とは思わないが、海外だからと、英語でどうにかしようと思ってしまったのだ。

そして宿に着き就寝。
翌朝は6時に起きて出立。
エクスの駅からの夜明けがとても美しかったので、写真撮影。
 

シャルルドゴール空港に着いたのが11時半、搭乗時間が12時20分と少しタイトで焦ったが、荷物の重量オーバーも無く胸をなでおろす。

ところで、大韓航空の添乗員さんはキレイな人が多かったなぁ。
機内食もビビンバや焼肉と日本人の口にもあうものだったし、お勧めしますよ!!

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Comments

“パリコレ見聞録2nd 10/11~14(7日目~10日目)完結” への2件のフィードバック

  1. はじめまして。偶然検索でひっかかり、ここにきました。パリコレ見聞録読ませてもらいました。とても興味深かったです。僕も今年の春3月、パリでc.neeonのショールームに行ったんです!行ったといっても、偶然目に留まり、入ったのですが、ロンドンのデザイナーswashとの共同でショールームを出していました。c.neeonの作品には衝撃を受けました!そのころ自分の中ではなけなしの金をはたいてまで無理して“デザイナー”の服を買う行為に(一介の大学生なので…)疑問を感じ始めていました。古着でも十分おしゃれができるんじゃないかと。しかしその思いをきれいさっぱり払拭してくれたのが彼らの作品でした。今期のコレクションもサイトで観ましたが、嬉しくなりました。パリで会ったころはもうすぐイエールの国際フェスティバルに出るんだという話を聞き、健闘を祈ると言い別れたのですが、その後大賞をとったことを知り、嬉しくて思わずメールをしました。親切にも覚えても無いだろう僕なんかに返事を返してくれ、今でも大事に保存しています。

    >私には世の隅で輝いているダイヤを見つけ「ここにこんなダイヤがあったよ」と世に紹介することしか出来ないのだ。

    最高の行為です!そして、まさしくそれが服を扱う側として理想的な仕事ではないかと思います。
    UGさんほど服に対する愛情、審美眼をもった非業界人はいないと思いますよ。業界人以上ですよ。感服の至りです。

    しかし、僕もUGさんほどの愛情をファッショに対して抱いているかは疑問ですが、一応一番目の興味の対象です。
    しかし、好きすぎるがゆえに、ためらっています。好きなものがもうはっきりしていますが、仕事ではその理想を押し通すことができるのか、など
    などの躊躇させる問題が数々あります。。

    本当に長々とすみません。。これからもあなたの日記楽しみにしています。偶然にも見つけることができて幸運です。

  2. >shimono
    C.neeonの二人は本当にいい人ですよね。
    C.neeonの検索でいらっしゃったんでしょうかね?
    私はビジネスに染まらないことで、嫌いなものは嫌いといえるこのブログを書くことができていますし、アパレルの薄給からも免れています(笑)
    そしてファッションが好きですけど、この好きの方向性がつながる仕事が見当たりませんでした。
    だって、見ること、着ること、知ること、語ることが好きなだけなんですから。

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