ファッションからの束縛

ファッションから、その人のライフスタイル全般がリンクしてしまうことが少なくない。
(もちろん他の、例えば音楽からファッションがリンクすることも多い)

例えばメンズノンノに出てくるミュージシャンはみんな「それらしい人選」になる。
簡単に言ってしまうと、夏フェス系のミュージシャンである。
ここにオジーオズボーンが出てくることはないし、まさかB’zやカシオペアが出てくることも無いだろう。
そして読者はその雑誌でリコメンドされていることから、彼らの音楽を手に取るようになるし、オシャレさんの聞く音楽という刷り込みが出来てしまう。

一つのものを好きになると、それにリンクするものを好きになるというのは当然の話。
しかし、モードが好きでヒップホップLOVEでもいいじゃないか。JAZZやレゲエLOVEでもいいじゃないか。
ところが現実には、ファッションと聴く音楽を聴くと「あ、やっぱりそう繋がるのね」と、その当たり前さに”落胆”させられることがほとんどだ。


そうやって、自分を容易に想像されることをどう思う?
安心する?
「結果的に好きになるんだから」「お前になんだかんだ言われたって、いいものだと思ったから」そう居直るのは簡単だ。

しかし自分で選んだつもりが、実は選ばされた結論になってしまうということもあるのだ。

以下はラーメンズの小林賢太郎の作った、魔術師の選択。

次の八単語の中から、ひとつを自由に選んでみて下さい。

消費税  収穫  葬式  アルミ  筆  お箸  数珠  半紙

選びましたか?では今度は、その単語と関係あると思うものを、次の八単語から選んで下さい。

体育館  一円玉  グラタン  米  牛乳パック  墨汁  砂漠  喪服

はい、ありがとう御座居ます。選んだそれを強くイメージしてから、次に進みましょう。そのものの特徴を、次の八つの中から選んで下さい。

赤い  長い  小さい  明るい  広い  黒い  鋭い  速い

それでは最後に、その特徴に当てはまるものを次の八つの中から選んで下さい。

シマウマ  錦鯉  ヒマワリ  アリ  イルカ  柴犬  モミの木  カマキリ

最終選択肢は一つである。

好きなファッションを選んだ。行き着く音楽やインテリアがみんな似たようなものだ。
そんな感じがしてしまう。

かの山本耀司は「コレクションで使う音楽で、ショーにマッチしている曲なんて、1曲あるかないか。いつも関係ないものを選んでいる」
と語った。

なんだか当たり前すぎるものはつまらない。
そんな気がしませんか?


Comments

“ファッションからの束縛” への5件のフィードバック

  1. へるしーのアバター
    へるしー

    自分で選んでるつもりが、実は選ばされている、、、
    雑誌の影響はすごいからね。
    それが教科書のように崇められたりして。ある意味、情報操作だな。
    そう思った僕はファッション誌は、消費者ではなく製作サイドのスタンスで
    読むようにしてます。
    じっさい、売れてるものではなくて、
    売りたいものを載せてること多いですから、、、。

  2. しゅーまいのアバター
    しゅーまい

    ごもっともな意見だと思います。
    それと、自分もちょっとそうなのかなーとも考えてしまったり・・・。
    確かに音楽とファッションはリンクしますけど、好きなファッション、音楽にもう一方を合わせたりはしたくないです!
    音楽はいいと思ったものを聞けばいいんですよね!

  3. >へるしー
    上記の魔術師の選択は、最後の一つまで行きますが、その一つ二つ手前だと、複数の選択があるわけですよ。
    最後のひとつまで行くと「みんながこれを選ぶっておかしいぞ」と思うけれど、その途中の状態で止められると、選ばされてるって意識が無くなってしまうんですね。

    製作サイドの視点で見るって、いいスタンスですね。
    「これを売りたいんだな」とか「ここからの圧力だな」とか想像すると楽しいかも。

    >しゅーまい
    例えばジャズだってフュージョンだってヘヴィメタだって、専門誌が出ているほどメジャーなジャンルだけど、ファッション誌には出てこない。
    実はそういう雑誌でのリコメンドの方が"まだ"信用できると思うんだけどな。
    個人的には、最近ファンクが気になるところ。

  4. キャシーのアバター
    キャシー

    私は今海外で暮らしていますが日本人ほどモノに執着する外国人はいません。
    モノを買う大好きな日本人。ときどき観光できている日本人がやたらお土産袋を持ち歩いてるのを見ます。何しに来たの?という感じです。

  5. >キャシー
    本当ですよね。
    しかも彼らはブランド物にしか興味を示さないでしょう?
    浅ましいと思います。

    土産なんて少しでいいんですよ。
    土産話いっぱいの方が、ずっといい。

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