モードはリアルなのかファンタジーなのか。
モードに理解のない一般人が、ファッションショーの写真を見て
言う。
「こんな服、誰が着るの?」
そうなのだ。彼らにとってモードはファンタジーなのだ。
「これだったら着られないこともないけれど」
この言葉だってまだ、リアリティのあるファンタジーとして
見ている。
ファッションフォトを観て欲しい。
あんなシチュエーション、あんなヘアメイク、あんなポーズ。
現実世界で考えたら異常なのだ。
しかし異常を溶け込ませているからこそ、面白みが出てくる。(「快適なノイズ」参照)
またファッションを魅せるためには、全てが日常的であったら、自然すぎてそこに注目が行かない。
だから、ノイズを混ぜるのは当然だ。
さて、ここでファッションヴィクティム、モードマニアが陥りやすいのがモードそのまんまのファッションである。
虚構の世界を鑑賞してカッコいいと思ったから、それをそのまま現実に持ってきてしまうのだ。
「現実世界に溶け込むため」には、咀嚼が必要なのにそれをしない。
まるでコスプレである。
「デザイナーの作る世界観が好きだから」それをそのまま体現する。
よく聞くフレーズだ。
でもそれはゴスロリの格好をするミュージシャンがカッコいいからと、その格好を真似る行為となんら変わりないのである。
もちろん好きな格好をするのは自由である。
しかしモードファッションはお洒落と思われても、上記のように決して現実に相応しい格好と思われていないということは、認識しておくべきだろう。
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