モードはファンタジーか

モードはリアルなのかファンタジーなのか。

モードに理解のない一般人が、ファッションショーの写真を見て
言う。
「こんな服、誰が着るの?」

そうなのだ。彼らにとってモードはファンタジーなのだ。

「これだったら着られないこともないけれど」

この言葉だってまだ、リアリティのあるファンタジーとして
見ている。

ファッションフォトを観て欲しい。
あんなシチュエーション、あんなヘアメイク、あんなポーズ。

現実世界で考えたら異常なのだ。


しかし異常を溶け込ませているからこそ、面白みが出てくる。(「快適なノイズ」参照)
またファッションを魅せるためには、全てが日常的であったら、自然すぎてそこに注目が行かない。
だから、ノイズを混ぜるのは当然だ。

さて、ここでファッションヴィクティム、モードマニアが陥りやすいのがモードそのまんまのファッションである。

虚構の世界を鑑賞してカッコいいと思ったから、それをそのまま現実に持ってきてしまうのだ。
「現実世界に溶け込むため」には、咀嚼が必要なのにそれをしない。

まるでコスプレである。
「デザイナーの作る世界観が好きだから」それをそのまま体現する。
よく聞くフレーズだ。
でもそれはゴスロリの格好をするミュージシャンがカッコいいからと、その格好を真似る行為となんら変わりないのである。

もちろん好きな格好をするのは自由である。

しかしモードファッションはお洒落と思われても、上記のように決して現実に相応しい格好と思われていないということは、認識しておくべきだろう。

あなたにとってモードはファンタジー?


Comments

“モードはファンタジーか” への4件のフィードバック

  1. ファンタジー!!!!!!!

  2. 子どもな私にはファンタジーより現実ですね。
    I Love コムデギャルソン(笑)

  3. 海外コレクションブランドはコレクション用の服と実際に販売する服を分けている事が多いですよね。
    例えば2005AWのガリアーノオムはビッグサイズのコートをコレクションのパフォーマンス用に使い、実際流通させるのは乗馬服をモチーフとした日常使いのできるもの。
    2005SSのベルンハルトはアメフト風の服をコレクションで見せ、実際に流通させたのはその柄を使ったカットソーなど。

    グッチやプラダなどのラグジュアリーブランドはそのまま着れる物が多いですね。

    そして最後に独創的な服でコレクションを発表し、それをそのまま流通させるブランド。
    ギャルソンやヨウジはその傾向が強いでしょう。
    実際Y’s for menの予約会ではコレクションの写真を見て予約しました。
    これらのブランドはコレクションで気に入ったアイテムをそのまま買える代わりに、着る人のセンス・着こなしのTPOを読む力が要求されます。
    例えばヨウジプールオムのロングスカートを階段移動が多い状況で履いて裾がモップ状態になったとか、
    ギャルソンプリュスのピンクアイテムで全身を統一してコンビニにいったら目をそらされたとか。

    個々人が好きな格好をするのは自由ですが、それによって服を痛ませたり公共スペースの雰囲気を壊さないように気をつけること、これらもファッションが好きなら常に自問自答していきたいところですね。

  4. コレクションで使った服と全く同じものを流通させているブランドでも、
    コーディネートまでコレクションそのままマネしてしまうのは問題であることが多いよね。

    結局、やはりモードはファンタジーなんだろうと私も思うところ。
    特にレディースではその傾向が顕著かな。
    メンズコレクションは‥‥観て楽しい性質のものじゃないと個人的には思うところ。

コメントを残す