心地よさとは適度にノイズを交える事である。
例えば、純粋な音とは正弦波であり、音叉の音になる。
しかしその音は純粋すぎて退屈だ。
ディストーションギターはずばりノイズにまとわれた音だし、ヴァイオリンもノイジーな音だ。
アコースティックギターを聴くときに、指がフレットを擦るキュッと鳴る音が好きな人も多い。
ファッションにおいてもノイズは重要な意味を持つ。
生地にドレープが出るのを美しく感じるのも、単純な生地の表面に心地よいノイズを加えるという事だ。
さてドレスダウンも含め、崩して服を着るというのは、お洒落における重要なテクニックである。
これも整然とした格好の中にノイズを加える行為になる。
そのテクニックを使うためには、まず基準を知らなければならない。
基準を知って、さらにそこからバランスを取りつつずらしていくのだ。
これが進んでいくとノイズで調和を取るような芸当も可能になる!
そしてこの基準を身につけていないと、破綻してしまう事態を引き起こす。
距離が測れないからドレスダウンというものが、例えばスーツにスニーカーを履くことだと単純解釈してしまうのだ。
着崩すのではなく、着崩れているだけ。
センスは言葉で表すものではない。
これは楽器でいうと巧い演奏家がラフに弾くのと、下手な演奏家がラフに弾くのと同じこと。
以前に書いたとおり日本では服装センスの教育はされていないし、軽視されている。
周りにセンスを磨く環境に恵まれた人は除いて、そういう環境に無かった人は、やっぱりグッドセンスの基準を身につける必要があるのだ。
自分でノイズを加えていくのはそれからだ。
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