快適なノイズ~例えば着崩すということ~

心地よさとは適度にノイズを交える事である。

例えば、純粋な音とは正弦波であり、音叉の音になる。
しかしその音は純粋すぎて退屈だ。
ディストーションギターはずばりノイズにまとわれた音だし、ヴァイオリンもノイジーな音だ。
アコースティックギターを聴くときに、指がフレットを擦るキュッと鳴る音が好きな人も多い。

ファッションにおいてもノイズは重要な意味を持つ。
生地にドレープが出るのを美しく感じるのも、単純な生地の表面に心地よいノイズを加えるという事だ。

さてドレスダウンも含め、崩して服を着るというのは、お洒落における重要なテクニックである。
これも整然とした格好の中にノイズを加える行為になる。


そのテクニックを使うためには、まず基準を知らなければならない。
基準を知って、さらにそこからバランスを取りつつずらしていくのだ。
これが進んでいくとノイズで調和を取るような芸当も可能になる!
そしてこの基準を身につけていないと、破綻してしまう事態を引き起こす。
距離が測れないからドレスダウンというものが、例えばスーツにスニーカーを履くことだと単純解釈してしまうのだ。
着崩すのではなく、着崩れているだけ。
センスは言葉で表すものではない。

これは楽器でいうと巧い演奏家がラフに弾くのと、下手な演奏家がラフに弾くのと同じこと。

以前に書いたとおり日本では服装センスの教育はされていないし、軽視されている。
周りにセンスを磨く環境に恵まれた人は除いて、そういう環境に無かった人は、やっぱりグッドセンスの基準を身につける必要があるのだ。
自分でノイズを加えていくのはそれからだ。

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Comments

“快適なノイズ~例えば着崩すということ~” への2件のフィードバック

  1. 音楽で例えるなら不協和音もしっくりきます。
    不協和音単体で使うとただの耳障りな音だけど、
    協和音によるコード進行にうまく織り交ぜると曲に広がりを持たせられるとことか。
    で、その為には正統的なコード進行を学んだ上で不協和音をチョイスしなければいけないところとか。

    どのジャンルにしても、変化球の前にまずストレートってことですよね。

  2. yoshuaさん曲作るんですもんね。
    テンションコードなんかはずばり不協和音ですけど、テンションコードを使えばカッコいいのではなく、効果的な使い方ってのがあるんですよね。
    ノイズだけで調和を取るってのを音楽に喩えればJAZZで、テンションコードばかりで構成されている。
    私はデミニッシュコードなんか好きで、パッシングデミニッシュとして結構使います。
    オーギュメントも使ってみたいですけど、中々クセが強くて、今まで効果的に使えたのは一度だけです。

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