キーチ!!はビッグコミックスペリオールに連載されているマンガ。
染谷輝一(キーチ)という少年の話である。
残念ながらこの新井英樹という作家、話が佳境にかかるまで時間がかかるようで、この作品も始めはそれほど面白くない。俄然盛り上がってくるのは5巻からだ。
他人を拒絶して生きるキーチ小学5年生。
幼年期を野生児として生き延びたキーチは、人間は一人で生きられることを知っている。
目の前に現れたクラスメートの父親による少女売春問題。
買春現場を抑え、少女の父親をぶん殴るキーチ。
買春問題だと警察に訴えても上部の圧力で捜査が進まない。
キーチにまとわり付く参謀・甲斐とともに調べ始めると、買春しているのは政治家や会社役員といった身分あるものたちだとわかる。
マスコミを従え少女を買った男のもとを一人一人訪れては、ボコボコにぶん殴る。
そしてキーチの家は放火される。中に残された婆ちゃんを助けるために、キーチは燃える家に飛び込み救う。それまでキーチの乱暴をいさめていた爺ちゃんは「大人びた説教をしていたが、いざというときに私は何も出来なかった」とキーチの行動に頭を下げる。
ついに今週号では、少女を買った一人、政党幹事長の曽根しんの元へ乗り込み、マスコミのインタビュー最中、一撃を加える。
SPに押さえつけられるキーチは「本気だったらお前は死んでた。見えているか。俺が染谷輝一だ」と睨めつける。
小学5年生が政治家にタンカを切るのだ!
このセリフを読んだ瞬間、私はキーチ全巻を揃える決意をした。
キーチは永遠の少年である。
オトナになるという事は世間の仕組みに自分を合わせていくことだ。
しかしキーチはオトナにならない。
たった独りでも生きていけることを知っているからだ。
だからオトナの理屈は全て撥ね付ける。
金で解決、言わずもがな…そういう提案は拒絶するし、そういう提案をするヤツも拒絶する。
ROCKな生き様だ。
ROCKには破滅的なイメージが付きまとう。
それはANTI LOCK=ハメを外したものがROCKだからではないだろうか。
つまりROCKとはLOCKは
R←→Lの反対語では無いかと思うのだ。
そしてキーチの生き方には理性によるLOCKがかかっていない。
まさしくROCKである。
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