音楽という、目に見えず、時間を彩る芸術を、音そのもの以外の手段で表現するのは難しい。
音楽を他のジャンルで表現するにあたって、そこで表現されるのは音楽の感動性だ。
多くのマンガで音楽の素晴らしさが表現されてきているが、そこでは、ある典型が用いられる。
すなわち【天才的な声】だったり【常識外れの演奏方だが、心に響く器楽】である。
前者の代表は今で言うBECK、後者はピアノの森を挙げさせてもらう。
今日。喫茶店である音楽マンガを読んだ。
のだめカンタービレというクラシック音楽のマンガ。これは後者の部類に入る。
数ヶ月前にマンガ賞を受賞したというので興味を持っていたのだが、とても面白い。
私なんかが、稚拙にこのマンガの一般的面白さを伝えるよりも、Amazonでコメントを読まれた方が早いので、そちらをお勧めする。
ここに書くのは個人的に惹かれた点だが、音楽に関わる者として「この曲に無駄な音は無いんだ」「作曲者の意図をそう解釈するのだ」という曲たちへの想い。
クラシックにおける純然たる演奏家達は、曲を表現するために演奏する。
音符を弾くのではなく、音符という地図を元にその曲の真意を測る航海をするのだ。
このマンガにはそういう事が良く描かれており、私は首肯しながら読んだ。
これまで音楽マンガは、その理想的音楽の再現不可能性から、映画化をはばまれてきた。
しかしこの「のだめカンタービレ」は、映画化が可能ではないかと期待する。→
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