Levi’sの501。
ジーンズの元祖にして究極と言われています。
しかし、ある人は「あれは究極の普通のジーンズだ」ど言います。
(現在の感性で)シルエットの綺麗なジーンズ、縫製・生地の良いジーンズ、履き心地の良いジーンズは他にもごまんとあります。
そんな中501が名品と呼ばれるのは、全てのジーンズの基準品であるからに他ならないと思います。
基準品と成りえたのは、後にアイテムとして認知される必要な全ての要素(例えばリベット)を備え、正に最大公約数の誰でもそれなりに似合うデザインであったからではないでしょうか。
(ちなみに501は唯一商標登録されている数字列だとか。パブリックな文面で501というただの文字列を使うには、Levi’s社の許可が要るのか…)
他の名品と呼ばれるものも同様だと思います。
よく考えてみると、実はもっと「性能の良いもの」は沢山あるのです。
率直な意見を言えばブルックスブラザーズのポロカラーシャツなんて身頃も袖もブカブカだし、ボタンはいかにも工業生産のブラスチックで味気ないし、ロゴマークだって一見何の絵かわからない。
嶋崎龍一郎はインタビューにこう答えていました。
「無印良品でデザインを始めたとき、普通のTシャツをデザインすることに戸惑った。普通ってなんだ?襟の大きさは?肩線の流れは?」デザインする事を学んできたがゆえに、特徴の無いデザインがわからなくなったといいます。
まず元祖であり、そしてデザインがオリジナルながら中庸(普通)で、品質が丈夫なものであり、リーズナブルなアイテムである。それらが不朽の名品として残っている気がします。
時代と共に良い技術が出てくるし、カッコいいの基準も変わる筈なのに、それらは元祖ながら誕生時から要求される機能の全てを擁し、時代の感性のブレを吸収するオリジナルなデザインをされていた。
名品とはすなわち基準と成りえた特徴を備えた偉大なる完成服と言えるかもしれません。
ただし時代を問わず通用するものの、やはり最高品質のものではない事は認識しておかなければならないと思います。
ところでTシャツというアイテムはもともとデザイン性に乏しいものなので(なにせ筒状のニット生地を3つくっつければそれになりますから)、アイテムの基準となり代表するとまで言える名品は不確定です。(HanesのBeefy-Tといえど)
ちなみにTシャツとして素晴らしいと思うものは、このファショコン通信でもおなじみのSOLさんの作成したTシャツです。長袖を購入しましたが素晴らしい品質でした。(デザイン意図があるようですが、襟元が狭く頭の出し入れがキツイ事以外は文句ありません)
ぜひみなさんお試しあれ。
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