革靴の文化

先日革靴の修理にいった時の話。
営業で室内に上がることが多いため、一日に何度も靴の脱ぎ履きをする。急いでいて踵をしっかり入れず、半分ヒールを踏みながら歩くこともあるので、ヒールが潰れてしまったのだ。


そこで店の店主は言った。
「まず靴べらをきっちり使わなきゃね。革靴の国の人はさ、朝起きてベッドで靴を履いたら、夜シャワーを浴びるまで靴を履きっぱなしなんだよね。だから踵を踏んで歩くことも無い。やっぱり日本人の文化には溶け込めてないんだよ」
もっともだと思った。
またある作家の言である。
「靴屋に行くと、ほぼ例外なくきついくらいの靴を勧められた。『緩い靴だと足が遊ぶので余計に疲れますよ』というのだ。でも私もそうだったけど、日本人は草履や下駄を履いていた。常に足に風を感じ、足を遊ばせながら歩いていたのだ。だから僕は今でも緩い靴を好む。だって現にそんな靴で1日に20キロくらいは平気で歩けてしまうんだから」
なるほどである。
革靴の「振り子の原理」って本当だろうか?やっぱり軽い靴の方が楽じゃないの??
スーツだって肩全体で着ないと疲れると言うけど、緩いスーツを着ている人みんなが本当に疲れているのかな?だってコートってそこまで肩のフィッティングにこだわってる?
バブル期のスーツなんてどこのブランドだって肩幅より広いスーツを作っていたし、みんなありがたがって着ていたよね?
雑誌の情報に踊らされていたのかもしれない。
正直言って、良いコットンだからって手触りではわかっても、着たらわからない。
自分自身の感覚を大事にしたい。


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