先日銀座を歩いているときに、H&Mのそばを通りかかった。
平日の19時過ぎで、さすがに空いているだろうと思ったし、空いていれば入ってみようと思っていたのだが、30人を超える行列があり、入るのをやめた。
人によっては待望の日本上陸だろう。
安くて、オシャレで、いつも新しい商品があって。
あれ?これってIKEA上陸のときと似ている。
IKEAはもう日本に来てしばらく経つので、行ったことのある人は多いだろう。
安くて、オシャレで…品質が悪いものばかり。
ファブリックの酷さはとんでもないし、クッションの綿はスカスカ。
ガラス食器は白く濁っているし、陶器の釉薬はマダラ。
食器の品質が悪いなんて概念、初めて知った。
5900円で買ったビリーという本棚は、半年で歪みが生じ、棚が落ちた。
まるで張りぼてのごみの中から当たりを探す、宝探しのお店だ。
H&Mもそういうものだと思っている。
3年前、4年前にパリに行ったとき、H&Mを見てきたし、商品も買ってみた。
胸にポケットのあるカーディガンは、ポケットはしっかり縫われてなく、口がゆるゆるのばかり。
きちんと縫製を見て、個別に品を吟味して買わないと心配だった。
縫製したものはそうやってムラがあるだろうと思ったが、まず壊れようがないだろうと思って買ったベルトは、10回にも満たない使用回数で壊れた。
金具が取れた。
特にH&Mの商品に対して「ワンシーズン着られればいい服だから」とはよく言われることだが、ワンシーズンで服を処分していく人を、私は寡聞にして知らない。
明らかにトレンドからずれてしまった場合に処分するというのはわかる。
ところがH&Mにおいては「壊れてしまったから着られない」ということがありえる低品質なのだ。
まだ着たいと思う服が、経年劣化でもなく、製造品質の低さによってたやすくダメになる。
これは体験してショックだった。
元が取れた気がしない。
私は、デザインも品質も良いものが欲しいのだ。
それはある程度高くてもいいし、安ければ尚更いい。
品質を犠牲にしてデザインに偏っているとはいえ、たやすく壊れてしまったものを目の前にして、それで「安くて良かった」とは思えない。
300円のダイソーのワイシャツだって、試しに買ってみたら、損したと思った。
あんなに着ていて不快なワイシャツはなかった。
質は捨ててもデザインと値段でH&Mを買う人は、これからもいるだろう。
ただ、私はあの残念さを味わいたくはないので、H&Mに期待するつもりはない。
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