統計の魔術

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統計というのは非常にあやしいものだ。
例えばこの記事(2/17yahoo!NEWSより)

罰則で事故半減=運転中の携帯電話-警察庁
 運転中の携帯電話使用に罰則を設けた改正道路交通法施行(昨年11月1日)後2カ月間で、携帯使用に絡む交通事故が前年同期に比べ半減したことが17日、警察庁のまとめで分かった。同庁は「改正法の効果が著しく出た。定着に向け今後も広報、取り締まりを強化する」としている。
 まとめによると、2カ月間の携帯使用に絡む事故は217件(前年同期比206件減)。負傷者は275人(同313人減)、死者は4人(同2人減)だった。また、今年1月末までの3カ月間に携帯使用で摘発されたのは5万5236人に上った。

法令制定により携帯電話をいじりながら運転する人、あるいは頻度は、大幅に減っただろう。
この記事では「運転中の携帯電話使用で事故を起こした人の数が減った」とだけしか書いていない。
当たり前だ。
携帯電話を使う人が減ったんだから
法令制定で事故総計がどれだけ減ったのかが、一番の問題であって、こんなマヤカシの数字に騙されてはいけない。

実際は事故の総数も減ったのかもしれない。でもそれを書かないことには片手落ちでしょう?


こういう統計のトリックというのはよくある話で、例えば

この文化財は保存しておくべきか?
という質問をした場合、保存すべき、あるいは保存したほうが良い。という答えが多数になるだろう。
しかし
この文化財が無かったら困るか?
という質問にしたら、困らない、残しても良いくらいの答えが多数になるのである。

要は質問の仕方で、回答をいじれてしまうのだ。

それと統計ではないが、街中で行っている署名活動。
「書いて下さい」と言われたから署名しただけで、本当にそう希望して署名する人なんてごく僅か。
それで署名1万人!となっても、署名を集めた人の熱意は認めるけど、1万人全員が希望しているわけでは無いのだ。

私はそう気付いて、安易な署名は慎むようにしている。

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Comments

“統計の魔術” への2件のフィードバック

  1. 交通事故総数が減っていたとしても、
    それは運転中の携帯電話使用を禁止したこととは異なる、
    他の要因による総数減少である可能性もあり得るよね。
    そういう意味で、運転中の携帯電話使用を「原因とする」交通事故総数が減少した、
    という統計は、全く無意味というわけではないのではないかと、
    個人的には思うところだけどね。

    いずれにしても、
    携帯電話で話しながら片手運転している人間の乗る車の傍には寄りたくないよね。
    いつ電源を切るために前方から視線をそらすか、気になってしょうがない(笑)

  2. おっしゃるとおり私もこの数字は無意味ではないかと思いますよ。

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