友の死

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これで友人が死ぬのは4人目だ。26歳にしては多くないだろうか?
こういう話題を軽々しく書くのはよくないだろうし、書いたとしても自分に彼の追悼になるような
立派な文章は書けやしないんだろうけど、それでも書くよ。
さっき大学の友達から「(同級生の)Hのこと聞いた?」と電話があった。
「いや、知らないけど?」「先週の土曜に死んだんだって…」
電話をくれた彼も他のヤツから聞いたばかりで、詳しい事を知らないというので、Hと仲の良かったヤツに電話をした。
「Hの事聞いたんだけど、詳しいこと知ってる?」と聞くと、やっぱり知っていて話してくれた。
「自殺だって。会社でいじめに遭っていたみたい。4月にばったり会ったときに相談されて『辞めちゃえよ』って言ったんだ。職場の上司に相談して勤務地を変えてもらったんだけど、寮暮らしなのは変わらなくて、ずっと続いたらしい。ついに親に打ち明けたら『休職しなさい』って強制的に実家に連れ戻されて、帰ってきた翌日に自殺したんだ」
Hの就職先は広島にある何だかの研究所だったと聞いた。


Hは3浪だか4浪して大学に入学したやつで、ちょっとごつくて逞しい男だった。
精神的にも年上として安定していて、まさかいじめに遭うキャラじゃなかったし、自殺なんてイメージはまるで似合わない。
死因を尋ねたけど、誰も親御さんに聞けなかったようだ。
果たしてそういう自殺の時の精神状態とはどういうものなんだろう?
退社という選択肢は頭に無かったのだろうか?
おかしくなってもいじめ続けた、同僚の心境はどういうものなんだろう?
あんな彼の、何が気に入らなかったのか?
死の直前に仲の良い友人に電話があったらしいが、携帯を所持していなくて出れなかったそうだ。
その友人の後悔たるや、大変なものだろう。
親は会社を訴えるような方向で動いているようだ。
卒業してから会ってないもんな。今はまだお前の死を実感できないや。
涙が出てこないよ。
夏にみんなで墓参りに行くからさ。そのときには泣けるかな。
おれが全力を尽くしてて忙しかったあのときに、手伝ってくれたことは忘れていないよ。
お前はいいやつだったな。


Comments

“友の死” への1件のコメント

  1. 私も同時多発テロの三日前に友を失くしました。
    友達からの「あいつ死んだんだって…。」という言葉に私は冗談だと思って笑った。
    思い浮かぶ彼はいつも笑顔で、死顔もただまだ眠っているだけで今にも起きてくれそうで…。ドラマでは見たことのあるシュチュエーション、まだ夏の暑さの残る九月初旬、私は「ふざけんな!」って言いながらずっと泣いていました。
    彼の死の後同時多発テロがあったということもありますが、心から、心から世界中の皆が笑顔でいて欲しいと願った。

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