森英恵:日本らしいデザイナー


オートクチュールはやはり商売にならないのでしょう。
顧客の減り続ける中、現在クチュールで隆盛を極めているのは、プレタともに相乗効果を
挙げているブランドばかり。
ハナヱモリにおいては残念ながらプレタも足手纏いの様子。

森英恵の著作ファッションを読んだ事がある。
その中でライセンスビジネスにも言及し「手軽にブランドを楽しめる事は素敵なこと」と
いうような事を書いていた気がする。
周知のようにライセンスビジネスはすでに崩壊し、この見解は過去のものになってしまった。
その崩壊と共にハナヱモリも凋落の一路を辿る。

思うにこのデザイナーが成し遂げたことというのは、日本らしさと洋服の融合を、上品なままで
行ったことではないか。
現在のように、身にまとっていれば何でもありのデザインではなかった時代があり、彼女は
そのまま、あくまで服を服らしく見せることを続けた。シーズンによる変化も少ない。
そこにいつまでもセンセーションは、ない。
そして見てみれば分かるように、若者が好む服ではない。つまりは新規顧客の広がりもない。
その辺にビジネスとしての失敗があったのではないかと考えるのだ。

森英恵が引退するのはさみしい気もするが、実のところ
日本人唯一のクチュールデザイナーがいなくなることがさみしいのであって、森英恵がいなくなることがさみしいと思う人はどれほどいるのだろうか?