2008年8月 のアーカイブ

『デリダ』

2008年8月6日 水曜日

現代思想・哲学を専門的に学んだことのない者にとって、デリダといえば、
「脱構築」「差延」などの専門用語は知っていても、その内容は意味不明であり、
とにかく難解であるという印象を持たれている方も多いことだろう。
『デリダ』

本書は、デリダについての”絵本”とでもいうべきユニークな内容で、
デリダの思想、著書および活動について、絵・画像とともに
解説されているという、なかなかに”画期的”な一冊である。

もちろん、対象がデリダということもあり、
単純明快に理解できるとまでは言えないものの、
個人的には、これまでに読んだデリダ関連の著作のなかでは
最も理解しやすく感じたし、哲学を専門的に学んだことのない人にとっては、
かなり読みやすくまとまっているといえるのではないだろうか。

特に、「脱構築」の文学、建築、政治などに対する”具体例”が解説されており、
「脱構築」という概念が極めて”あいまい”な本質をもつものであることが理解できるだけでも、一読の価値があるといえるだろう。

かのスティーヴン・ホーキング博士は、「哲学はもはや、文章の解釈のみにしか、その存在意義を見出せない存在である。」と語っていたが、
21世紀以降の哲学がこのまま「学問」として存在しうるのか、
あるいは、過去の「歴史」となってしまうのか。
そしてまた、権威とは何か、現在の知識人とは何かといった視点からも、
ぜひ一読をおすすめしたい著作である。